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陶磁器26:日本の焼き物(兵庫県:出石焼)

おはようございます。
今日も暑さが戻ってきて寝起きから汗ばむくらいの、熱帯夜からの日差しも強く暑い朝。

さて、日本各地の焼き物の名産地をピックアップしたところで、具体的に1つずつ見ていこう。
17回目の今日は、丹波焼と同じく兵庫県の出石焼。

出石焼(陶器)

出石焼は、兵庫県の豊岡市出石町で作られている磁器。
「でいしやき」と読まれた方も多いと思うけれど(僕もそう)、正しくは「いずしやき」。出石町では現在4軒の窯元が製造をしており、伝統を受け継いでいる。
出石焼の特徴は、国内でも珍しい白磁という点。柿谷陶石という純白の原料を使って少しの濁りもなく完成した磁器は、他に例を見ないほどの圧倒的な白さを誇る。
伝統の白磁彫刻一本を極める窯元、繊細な絵付けを施した個性豊かな器を作る窯元など窯元それぞれが独自の方針を持ち、多様な出石焼が作られている。絹のようなつややかな白さをもつ出石焼の器は日常的に使う食器としてもふさわしく、300年余りの伝統がある出石皿そばは、出石焼の器に盛ることで洗練されて今も多くの人々に支持され続けている。オリジナルの絵付けができる「絵付け体験」を気軽に行える所もあり観光客にも人気。

歴史

明和の1764年(宝暦14年)に伊豆屋弥左衛門が出石町に土焼窯を開設したことが出石焼の始まりだとされる。出石町で白焼きをはじめようと思い立った二八屋珍左衛門が、出石藩より援助を受けて有田に赴き陶器の製造法を学んだ。その後、一人の陶工を引き連れて帰ってきたが、資金面で苦しくなり珍左衛門は丹波に移ることに。残された陶工は珍左衛門の意志を受け継ぎ、出石町の土焼き職人となったことで出石磁器が伝承された。出石藩が窯の直営に乗り出したものの、経営は思いのほか厳しかったと言われている。
江戸時代後期になってようやく出石の窯業は活気を帯びていき、今の出石焼のルーツを築き上げた、鍋島藩窯の御細工職人を中心としたエリート集団・盈進社(えんしんしゃ)が登場する。
大量の白磁の原石が発見されたことも相まって出石焼は改良を重ねられ、その結果、盈進社はこれまでにない白磁を生み出すことに成功。1904年(明治37年)のセントルイス万国博覧会にて金賞を受賞して、出石焼は世界に多く知れ渡ることとなった。

地理

兵庫県豊岡市出石町は、兵庫県の中で日本海側から南に15kmほど入った山間にある街。古事記や日本書紀にも登場するほど、古い歴史を持ち、室町時代には守護大名・山名一族の拠点となり、但馬地方の中心として繁栄した。出石城の築城とともに城下町が整備され、現在もその面影を色濃く残している「但馬の小京都」。
豊岡市は日本の天然記念物に指定されているコウノトリの繁殖、野生復帰計画に長い年月をかけて取り組んだ結果、今では当たり前のように見かける存在になり、世界でも稀に見るコウノトリと共生する街としても知られる。但馬飛行場の別名はコウノトリ但馬空港という名がつけられるほど。
縦にも長い兵庫県の瀬戸内海側をベースに見てみると、姫路のほぼ北に位置し、豊岡市まで登ってくる途中には雲海に浮かぶ城として有名な竹田城跡がある。
川に関して見てみると、街の中心を流れる円山川の河口付近には城崎温泉があり、人の往来は昔から多かったのではないかと思われる。

作り方

  1. 磁土作り 原料は陶石は岩石の総称で、一般に石英が70%、絹雲母が30%から成っている。その陶石をすりつぶして練り固めると粘土のように弾力が出る。これが磁土とよばれるもので、昔は職人が自ら作っていましたが今は一括して依託している。

  2. 成形成形は以下の3段階に分かれます。
    成形の前に重要なのが、よく練ること。磁土の中に入っている空気を抜いていく作業で、約1~2時間かけてじっくり練っていく。次に成形、ろくろを使用して形を整えていく。そして形が整ったら、仕上げに底や表面を平らにするためろくろを使って削っていく。

  3. 乾燥 20日~1カ月程の期間をかけて、室内で成形した作品を乾燥させる。

  4. 彫り 作品の表面に浮き彫りや透かし彫りを施す場合は、模様をつけていく。浮き彫りとはノミなどを使って作品を削ることにより、像が浮きあがったように見える製法のこと。また、模様を素材に貼りつける貼花という方法もある。

  5. 素焼 作品に模様を付けたら、いよいよ焼き入れ。800~900度の火の中に、12~20時間作品をそのまま入れる。焼き上がったら窯から出さずにそのまま2日間かけて冷まし、3日目に窯から出す。

  6. 絵付 絵付けには下絵付けと上絵付けの2パターンある。下絵付けは釉薬をかける前に絵や模様を描き、上絵付けは釉薬をかけた後に描くが、出石焼は下絵付け。色絵、呉州、金彩(きんだみ)、銀彩(ぎんでい)等でデザインを描く。

  7. 施釉 釉薬は薬といえども天然素材になり、長石・陶石・石灰石などを原料とする。釉薬には透明釉(つや出し用)と結晶釉(つや消し用)の2種類があり、いずれも作品を傷や汚れから保護するためのもの。

  8. 本焼 磁器の場合は、1250度~1300度の火でおよそ20時間かけて焼成する。

  9. 窯出し 素焼と同様に、本焼きも焼き上がりから2日かけて作品を冷まし、3日目に窯から引き上げ。出来上がるまでに1カ月以上かかってようやく完成する。



*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tokonameyaki/



僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。



皆様も、良い一日を。

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