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螺鈿7:螺鈿の技法

おはようございます。
今日は朝から大雨が降っていて、東京だけでなく西日本は昨晩から強く降り始めているようだから各地で水害がないことを願いたい。

貝の種類によって、色合いや真珠層の模様が異なり、それを厚さが異なる形で素材として仕上げることを見てきた。今日はそんな真珠層の素材になったものをどのように作品に仕上げていくのか、今日は螺鈿を実際に作っていく技法に関して見ていきたい。

技法としては、厚貝法と薄貝法の大きな2つに分けられる。そのほか蒔貝法・割貝法・色貝法・浮彫法など数十種類もの技法が存在し、その様々な技術を駆使して美しい螺鈿細工が作られていく。
今日は、柱となる技法、厚貝法と薄貝法について詳しく見ていこう。

厚貝法

厚貝法とは、厚さ1〜2mmまで削った貝を使用した螺鈿の技法。
素材の切り出しで見てきた様に、まずは曲線を帯びた貝を平らにするため3cm程にカットし、厚さが2mm程になるまでヤスリで削り文様を切り出す。そして掘り込んだ木地の部分に切り出した文様をはめ込んだり、下地に埋め込んだりしていく。

厚みのある厚貝は貝自身の持つ色味がしっかりと表現できるため、内側から放たれているような深みと重みのある柔らかな光沢が出る。貝一つ一つの存在感も際立ちインパクトのある仕上がりが楽しめる。

歴史で見ると薄貝法より厚貝法の方が古く、紀元前3500年には古代エジプトで厚貝細工の装飾が行われていたと考えられている。奈良時代に日本へ伝来して以降、平安時代には蒔絵と併用し独自に発展していきました。

薄貝法

薄貝法とは、厚さ0.1mm以下になるまで薄く削った貝を使用した螺鈿の技法。
機械で真珠層を削り、摩擦で貝が焼けぬよう水で冷やしながらヤスリで極限まで薄く摺っていく。昔は機械が無かったため、貝を数日間煮て真珠層を薄く剥いでいくという方法が取られていて、今でもごく一部で使われる伝統的な方法となっている。
こうした作られる薄貝は透けて見えるほど薄いため、刃物で簡単に切り出すことができ極めて繊細なデザインをつくることも可能。
また薄さや透け感を活かし、貝の裏側に金箔や金属粉を付けたり、色漆を塗ったりする伏彩色(もしくは色底螺鈿)という技法を併用することが多い。
薄貝は厚みがないので表面の色味の反射が強く青みを感じやすくなり、そのため薄貝は別名青貝とも呼ばれる。
薄貝法の起源としては、13世紀以降の中国・元で見られ始めたと言われている。

どちらも、土台となる漆部分に嵌めたり乗せたりする訳だが、このままでは漆と貝の高さが異なり表面が凸凹、ざらざらしてしまう。このため螺鈿を乗せた上でさらにその上から貝の厚みがなくなるまで漆を何度も塗り、平面になるまで埋めていき最後に磨いてツヤを出して完成となる。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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