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漆3:漆の採集

おはようございます。
今日は昨日より一層雲が厚く立ち込めてどんよりとした朝。久しぶりに気温も1日を通じて20℃を下回るらしい。

さて、今日は漆の原料をウルシからどのように採取するのかを見ていきたい。

漆の採取

漆の採取方法は職人が道具を使って漆の木に傷をつけ、そこからでてくる樹液を集めるが、 これを「漆搔き」と呼ぶ。ウルシの樹液を集める「漆掻き職人」という漆搔き専門の職人がいるほど難しく、採取する際にはいくつかのポイントがある。

ウルシの木の樹液は皮と木質の間からが一番よく取れるので、傷を深くつけすぎると樹液が木の中に入っていってしまう。 このため、木の表面の皮だけを傷つけたくさん樹液がでるように調節をする必要があります。単純に大きく傷をつければたくさん採れるというものではなく、熟練した技術と繊細な作業が必要とされる。

何日もかけて傷をつける

ウルシの木は傷をつけてから日にちがたつと木から出てくる樹液の量は多くなる。 ウルシの自然治癒力を利用した方法で、 人間が血液で傷を固めるのと同じ様に、ウルシの木は樹液を出して傷を固めようとする。
最初に傷をつけた日か数日後にまた傷をつけるとさらに樹液が出てきます。 傷は一度にではなく徐々に大きくしていくのがポイント。一本、一本のウルシの木に傷をつけ、一回に耳かき一杯程度の量をすくって集めていく。
漆の採取方法には2つの種類があるが、それはまた別の日にまとめる。

樹液を採集する時期

6月~10月が最終時期となる。

時期によって品質が異なりそれぞれに呼び名が異なる。
6~7月に採れる漆を初漆(はつうるし)、
8月に採れる漆を盛漆(さかりうるし)、
9月は末漆(すえうるし)
中でも盛漆は最高の品質を誇る。

採取したての色は乳白色で「生漆(きうるし)」と呼ばれ、樹液を掻き採らなければ、傷口をふさぐようにそのうち漆は黒く変色して固まります。
この採取したままの樹液を「原料生漆」といい、木の皮などのゴミをろ過したものは「精製生漆」と呼ばれる。「精製生漆」は塗料としての目的に応じて、さらに精製・加工されます。
商品として精製された日本漆は非常に貴重で高価なもので、漆掻き職人は「漆の一滴は血の一滴」と呼んで大切に扱う。まさに手塩にかけて育てたウルシに対する愛情を感じさせる言葉で、漆製品への職人の思い入れが素材から感じられる。

採集できる木の条件

ウルシの木の直径が大きいものほど採取できる量が多いが、木の肥大生長が下降しはじめる15~20年くらいと言われている。このため、漆液の採取するのに適しているのは、樹齢10年を超えた直径では15~20cmぐらいの木となる。
10年以上かけて育てて、一本のウルシの木から採れる量はわずか約200g、ほぼ牛乳瓶1本分。これは汁椀をわずか数個ほど作る量にしかならない。
1年をかけて上のスケジュールで漆を採取すると、その後伐倒した後、萌芽更新させる。13年ほどで成木になると、また樹液を採取する。
漆掻き職人は、年間400~500本の木から漆を採取し、75kg採れれば一人前とされている。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

「漆っていいよね」「漆って貴重だからね」って言ってる人の何%が(自分含め)漆がこんなにも貴重だと知っているだろうか。正直10年単位で木を育てて、職人が絞りに絞り出してペットボトル半分にもならない量しか取れないものが材料として使われているのなら、高くないどころか(さらに器自体や塗りの職人達の技術も考慮すれば)むしろお手頃感すら感じられる。
自分が持っている漆器の価値がグッと高まってより大切にしたくなった。学ぶことでより正しく価値を評価して、そのものの価値を噛み締めて大切に使うこと程、生活を豊かにしてくれることはないな、と思うのでした。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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