繊維の種類17:大麻(ヘンプ)

おはようございます。
今朝の気温は4℃、冷え込みが厳しい朝が続く。

さて、布の素材として靭皮繊維の代表とされる麻の中で衣服の素材となる以下の3つに関してみているところ。

  • 亜麻(あま) Linen  リネン  亜麻科

  • 苧麻(ちょま)Ramie ラミー  葦麻科

  • 大麻(たいま)Hemp ヘンプ  桑科

リネン・ラミーに関して、見てきたところで最後の大麻(ヘンプ)に関して見ていこう。
今日はまず、『大麻』という字面を見て「たいま」と読んでギョッとしてしまった方々にまずは安心してもらうために、素材として大麻(おおあさ/たいま、ヘンプ)と違法の大麻(たいま)との違いをまずは明確にしてから話を進めたい。

大麻の種類

最初に断っておくが、当然ヘンプとも呼ばれる大麻(おおあさ/たいま)は当然全く違法性のない、クリーンでナチュラルな優しい天然繊維。なので、安心して以下を読んでもらいたい。
大麻はCannabis sativaと呼ばれるが、これには大きく分けて2種類がある。それがいわゆるヘンプ(種1)とマリファナ(種2)だ。ヘンプとマリファナは、CBD・THCという2つの成分の割合や利用部位によって区別され、用途もはっきりと分かれている。
CBDとは、Cannabidiolカンナビジオールの略で、カンナビス・サティバと呼ばれる植物から抽出される、カンナビノイドと呼ばれる化合物の一つ。抗炎症作用や鎮痛作用など高い健康効果をもたらす一方で、脳への直接作用がなく精神作用を持たないことから、安全に使用できる。
一方でTHC(テトラヒドロカンナビノール)は脳に直接作用することが知られており、陶酔感・多幸感といった高い精神活性作用をもたらす。
米国の農業法2014に基づき、THC成分の割合が0.3%以下の品種を「ヘンプ」、20%を超えるものを「大麻草(大麻)」と区別します。また用途によって、繊維や食品利用によるものを「ヘンプ」、医療や一部の国での嗜好品を「カンナビス(マリファナ)」ということもある。
補足すると、現在の日本で産業用として栽培・利用されているヘンプの茎には、THC成分はほとんど含まれていない。アメリカでは2010年代にヘンプの栽培が州単位で解禁され始めたが、勘違いした大麻愛好者が畑のヘンプを盗むケースが続出、栽培者が苦慮する事態となった。日本では、ヘンプの栽培は許可制だが、新規で栽培許可をとるのは難しい。
ここでは布に使われる繊維素材としてヘンプに関して、話を掘り下げていきたい。

日本においては、リネンやラミーは輸入されている繊維であるのに対して、ヘンプはおおあさとして日本古来の繊維であり、日本の歴史にも文化にも根深く絡む大切な素材として、その点もしっかり学んでおきたい。
明日はその歴史を見ていこう。


こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。



僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い一日を。

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