31年間由来を知らないわたしが得た「本当の名前」
「言葉の企画2020」に企画生として参加しているわたしが受講後に得たエモーションをnoteに記しているマガジンです。今回は第3回目。
私は自分の名前の由来を知らない。母に聞いてもいつもはぐらかされる。いつもはぐらかされるから、私の中の「母親質問タブー集」に記載してある項目のひとつ「名前の由来については触れない」。
憂鬱だった課題
阿部広太郎さんが主催する「言葉の企画2020」も今回で3回目。出された課題は
・自分の名前紹介(由来・字源などをもとに自由研究的に)
・「言葉の企画2020」に参加しようと思った理由にタイトルを付ける(補足を付けてOK)
愕然とした。31年間、ぶら下げてきたこの「裕香里」という名前。ここにきて向き合うことになるなんて…そう思った。
何はともあれ、例の「質問タブー集」を小学生ぶりに引っ張り出して、聞いてみなくちゃなあ・・・憂鬱だなあ、なんて返されるだろうかなあ。
そんなことを1週間くらい寝る前に天井を眺めては思っていただろうか。悩んでいる間にも刻々と、課題の提出期限は迫ってくる。時間は待ってくれない。
重たい気持ちでLINEを起動して、母に電話してみた。結果としては、やっぱり「質問タブー集」のままだった。すでに離婚している両親、もう何年も連絡をとっていない父にまで連絡を取る気にはとてもらならず、結局自分の名前の由来についてはまたもやお蔵入りになった。ここまでくると由来を知りたいものだけど、もう、このままでも良い気がしてきた。
だったら自分で由来を考える
そう、そもそもこの課題は「名前の紹介」。別に由来がなくたって、漢字一文字一文字には字源がある。「ゆかり」という言葉にも意味はある。
だったら自分で解釈して、自分が由来をつけてしまおう。
なんだろう、そう思えた瞬間に肩の力がふっと抜けて、一歩踏み出せたような気がした。<漢字>がある国に生まれてよかった、<語源>だけじゃない<字源>というものがある言葉を使う国に生まれてよかった、そう思った。
自分自身で「名前」に意味を吹き込む
こうしてそれぞれの漢字の字源・意味に加えて、「ゆかり」の語源。調べた。自分の名前に由来はもはやない自分には、どんな語源・字源・意味、全て取りこぼしたくなかった。そして自分の中でじっくりブレンドして煮込んで…「松浦裕香里」というタイトルに意味をしっかり持たせたかった。
自分が自分のことを一番知っていて、自分が自分のことを一番好き。だとしたら名前というタイトルに込める意味も、きっとずっと意味深く好きになれるはず。
▽こうしてできた名前紹介がこれだ。
自分で自分の名前の意味を手繰り寄せた。私の名前の由来
豊かに広がり繋がる🤝幸せの所縁∞
人と人、人とモノ、広がりを大切に幸せを無限に広げられる人になって欲しい。そんな幸せの連鎖を起こす人に。
これが私の名前由来。これまでの人生の31年間を振り返って、これからの人生もそうあって欲しいという願いを自分自身に込めた。この結果にたどり着くまでに、天井を眺め、重い気持ちで母に尋ね、くよくよすることもあった。けれども最後は自分自身だった。自分の名前…自分のこれまでとこれからに向き合って決めた由来・自分の名前の紹介は愛おしかった。これまでどことなく好きになれなかった、理解しきれなかった「自分の名前とは?」が見えた気がした。
HAPPY系連鎖はほんとうだった
阿部さんの「伝わりましたラジオ」(全員に向けた声の手紙という名の講評)を聞いたら、つい涙が出た。
由来を聞かないといけないというわけではなく、自分の名前を企画していく。自分の名前はすでにあって、それを紐解いていく。ご自身で解釈したってことで全然それで良いと思います。「超HAPPY連鎖系ネーム」自分自身で手繰り寄せていくっていうことで良いと思います。最後のいつか本当の自分の名前の由来を聞けたら良いなという願いと自分の超HAPPY連鎖系ネームが最後につながっていく。っていうところまでつながっていると読み手にとってやさしいと思う。(「伝わりましたラジオ」阿部さんコメントより一部抜粋)
正直、こんな複雑な事情を課題の最後の2行に盛り込むかも悩んだし、コメントしづらいよなあ・・・なんて心して「伝わりましたラジオ」を聞いた。
阿部さんは2つ目の課題《「言葉の企画2020」に参加しようと思った理由にタイトル》とも合わせて、「松浦裕香里」って?を講評して下さった。
▽2つめの私が提出した課題はこちら
超HAPPY連鎖系でも「クヨクヨ」「やればよかった」って思うことがある人なんだって(「伝わりましたラジオ」阿部さんコメントより一部抜粋)
まさにそうだった。そう、自分の名前の由来を自分自身で手繰り寄せるまで、クヨクヨした。なぜ、お父さんといた日々の中で名前の由来を聞かなかったのか。ほんの少し後悔もした。あくまでも↑の提出課題は「言葉の企画」に参加しようと思った理由のタイトルだけど、自分の奥深くにある悩ましい芯は同じ。そんな自分もいたけれど、自分の名前に由来を自分自身で吹き込んだ私は今、幸せが連鎖している。その連鎖は、ほんの少しかもしれないけれども阿部さんにも伝わった、そう思った。
由来を得たわたしの次の目標
そんなわたしが、これからも自分の名前の由来通りに生きて成長したいのはもちろんだ。それに加えて本当の目標ができた。
母に自分で考えた「松浦裕香里」の由来を伝えること。そしてこう生きていきたい、という気持ちをHAPPYにシェアすること。連鎖させよう。
由来を話したくない、と思っている母は今まで自分の名前をどう見てきたのか。理由はわからないけれども、気持ちはさぞかし複雑なのだろう。だとすれば、そこにHAPPYを連鎖させたい。押し付けたくないけれど、きっとわかってくれると思う。
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