公演再開から暫く経過した劇場公演から、必要なものを考える。
序 はじめに
演劇制作の端くれとして言うのならば、もうすっかりなあんにもイベントがなくなってしまっていたせいで忘れてしまっていたけれど、9月の豊島区、池袋、あうるすぽっとなんてまあなかなか取れない、取りにくい劇場の一つであることは間違いない。今年は中止になってしまったけれど豊島区主催で毎年池袋演劇祭が開催されるのが9月。豊島区内の劇場で9月中に1日でも公演を上演すればエントリー権があるこの演劇祭、そりゃあみんな池袋の劇場を取りたがる。芸劇、あうる、グリーンと大きいところからKASSAI、風姿花伝、東長崎のてあとるらぽうと小さいところまで9月を狙ってかなり早い段階から埋まる埋まる。芸劇やあうるは主催事業で使うこともあるし、ましてや前年大賞受賞団体が再演するのは豊島区擁する劇場のあうるすぽっと。相当長期計画をちゃんと立ててないと取れない劇場なのだ。なんてったって、7日間以上の利用を希望する場合は利用希望月の14ヶ月ないし15ヶ月前に企画書等を提出しないといけないんだから。なんでそんなに詳しいのかって?ホームページにも書いてあるし、何よりそれでわたしはその激戦の9月で劇場を抑えるプレゼンに通ったことがあるからだよ。
東池袋とはいえほぼ駅直結、各線池袋駅からも徒歩圏内。ブラックボックス型でどの座席からも見やすく見切れで捨て席がない。楽屋も広くて言うことなし。何か物がたりない!!となってもすぐサンシャイン方面にハンズも西友も駅にマルエツもエリア内に100均もいくつかあって、買い物で困ることはほぼない個人的にはめっっっっっっっちゃ便利な劇場なのに!!!!
コロナで半分しか入れられないとかわたしが担当者だったら吐くぐらい泣くか胃に穴が開くわ。まあわたしみたいな下っ端なのでとかこう言うチープな感想だけど、今年演劇制作者で胃が痛い思いしなかった人間まず間違いなくおらんよな、とは思う。今この段階ですら探り探りで仕事やってるもんね・・・。
と、言うわけで行ってきました舞台「文豪ストレイドッグス 序 太宰治の入社試験/探偵社創設秘話」やっぱり舞台はいいですね!!!1年ぶり3回目の文ステですよ!!!わーい。
というわけで、公共劇場で行われる民間企業主催の貸館公演なので、前回のこんな感じだった備忘録とは前提条件が違うけれど、やはりこのコロナ下において今その時のリアルタイムの感情とかどう言う対応をしていたとか、などは残すべき記録だと思うので、完全に個人の感想・主観・意見だけど残すことにする。
前提:公演公式からの来場前アナウンス
▼入場フロー
わたしは東京メトロ有楽町線東池袋駅からエスカレーター上がって1階建物入り口から入場→エレベーターで2階へ。エレベーター降りたところで以前だとそのままロビーに入れたところがまず横一線に仕切りあり、スタッフさんから「入場前に手洗いをお願いします」と非常階段隣のトイレに先に入るよう指示。流れでいうと下のような感じ。
トイレ内はハンドドライヤーが停止されているのでハンカチ必須(まあこれはここに限ったことではないけど!)使い捨てのペーパータオルなどはなし。また、事前案内でもアナウンスされていたけれど、トイレ入ったところにも「トイレ終演後使えません」の案内あり。足下も待機列用の線が引いてあり、わたしが入ったタイミングでは混雑はしていなかったけど事前対策はかなりなされている。(このへんは劇場マターでやってるのかな?)
手洗いが終わったら出てきて、仕切りの反対側で2レーンに分かれて入場ゲートあり。電子チケット(この公演はイープラスのスマチケで一元化)で来場者がもぎる形の様子。
スマチケだと、購入者情報は自動的に全部吸い上がるし、何かあったときのトラッキングが容易。(代理購入、名義貸しNGなのはいうまでもなく前提条件・・・!)ちなみに、わたしは関係者チケットのため、自動で吸い上がってないから「連絡先教えてください」と聞かれたので受付スタッフの方に名刺でいいですか?と確認して名刺を渡しました。一般販売経由しない受付置き、受付預かりのチケットだと緊急連絡先拾うタイミングが少ないから、今後自分のところでもやり方要検討だなー。非常時に備えて聞かなあかんのは大前提だけど、なによりまず個人情報だから適切な回収方法大事。
入場時にまず検温、その後もぎり?でスタッフさんが消毒スプレーを持って手にスプレーをかけてくれる。座席のエリア別で入場可能時間を区切ってるのは指定席だからできる話だね。これは今後もちょっと参考にしよう!
▼ロビー〜客席
入場レーンつきあたり壁側にパンフレット販売ブースあり。テーブルに手元のところに穴空いてるタイプのアクリルパーテーションで区切ってある。やりとりはコイントレーで現金決済。パンフレットは以前から個包装されているのでそこは元々問題なし。
ロビーに置きチラシ束などの配布なし。もともと劇場が置いてるチラシなどのみ。さ・び・し・い!!!!!!いつもあんなに賑やかなロビーのイメージなのに!!!!!!コンテの公演の時とか!!!!
客席は1個空けのテレコ。使用不可座席はカバーがかかっていて「荷物は置かないでください」と貼り紙あり。舞台の張り出しはなし(たぶん)、最前列1列潰して2列目からが最前列、最前列の人はフェイスガード着用。開演直前にもスタッフさんが声がけに行ってる?みたいな動きは見えた。
▼前説・アナウンス
15分前にアナウンス、5分前に舞台面にアンサンブル"dogs"の人たちが出てきてマイムと共に前説アナウンスあり。前作では出演者による前説小芝居や通路演出があったことを思うと寂しい。本当に!寂しい!
ちなみに、メインの4名はマウスガードなしだけどアンサンブルはマウスガードあり。おおよそ気にならないんだけど、芝居中で瞬間瞬間で反射するところは気になるなあ・・・。今度照明さんに聞いてみよ。
閑話休題。そういう細かいところも注意事項でお願いすることだけど、ちゃんと聞いてもらう、注目させるための工夫をしていたわけで。細かいところもクリエイティブに作るのって本当に大事だと思う。そういう意識があるからこそ、舞台はみんなでその場を作り上げるものであるしね。
案内内容としては基本的なことプラス、咳エチケットや会場内の飲食ルールなど。パンフは終演後買えないよーとか意外と分量多い。ただ1点気になったのは、「携帯電話の電源オフ」のところ。と、いうのも接触確認アプリはBluetoothがオンの状況で作動するのであれば、携帯電話の電源をオフにするのはアウトなのでは?という疑問が。加えて、新国立劇場でのアナウンスでは「COCOAを入れている人は電源は切らずに、音、振動が出ないように設定をお願いいたします」という前説だったので、どっちが正しいんやー!!!!(混乱)
▼終了後〜客だし
退場は混雑緩和のためエリア別退場。後ろブロック前半分→前ブロック後ろ半分→後ろブロック残り→前ブロック残り、と順番に誘導。会場上手側のドアで直接劇場の外廊下につながるので、そこから非常階段へ誘導して退館、という流れ。「前の方との距離を空けてお進みください」とゆっくりペースではあるけれど混雑緩和を徹底してくれてるスタッフさんありがとう。なんやかんや、わちゃわちゃするんですよね・・・・。
と、ここでダイレクトにロビー通らず外に出されるので物販はこの通り買えません!!!買えなかったら別日または通販です!!!あとトイレも入り口を仕切りで入場できないようになってたので、入場〜退館までの導線が一方通行で明示されてる印象。
しかしトイレは使えません、の理由はなんなんだろう?出待ちでトイレに潜伏されるの防止とか?生理現象に関わる設備利用の制限だから、ちょっとそこんとこの理由は気になった。
▼最後に
何より凄かったのは、これらの一連の動き、客席誘導案内もろもろがものすごくスムーズで、スタッフさん達がめっちゃ丁寧にやってくれてたところ!この制約しかない状況を揉めない、こっちにストレス与えない感じでやるってさらっとやってるけどめっちゃ大変なことだよと。本当に、頭が下がります・・・・・・。
やっぱり大勢の人が来る場所だから、花もない、プレゼントも手紙預かりもない、物販も寂しくて、こう、会場のわちゃわちゃーっとした楽しい気分を作り上げていたところが今は無くなってしまったけれど、でもやっぱりそれでもだからこそ、そんな周りのお祭り気分を盛り上げていたところがなくてもお芝居だけでも本当に楽しいし、やっぱり見てよかったってなるし、今そこを我慢して、また劇場に来ること自体がもっとハレの日であることを楽しめるような日々を戻すためにも、今は長い冬の期間なんだろうな、と思う。