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(株)LERIRO×456年生総合×キャリア教育×ゆめナビ授業④|出前授業
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1.ゆめナビ授業第4弾!先生たちのリクエストに応えて✨
このたび、スポットティーチャーは福岡市教育委員会から最優秀事業者に選定され、アントレプレナーシップ教育「ゆめナビ授業」に携わることになりました👏
今回はその第4回目の授業をご紹介します。
☟3回目のゆめナビ授業はこちら☟
急激に変化する社会で柔軟に対応する力と体力を育むため、子どもたちのチャレンジマインドを養い、質の高いキャリア教育を目指します。起業家や著名人が小学校に訪問し、講話や体験活動を通じて、児童が夢や希望をもつことを支援します。
3学期にかけて抽選で選ばれた10校を担当します。(すべての学校に携わりたかった…!ご応募いただいた皆様、ありがとうございました!)
ゆめナビ授業では先生方から授業スタイルやゲスト希望をヒアリングし、オーダーメイド型で実施しています。今回のリクエスト内容は…
1️⃣ 人数が少ないので複数学年に対応してほしい
2️⃣ 子どもたちが興味をもちそうな分野のゲストを招いてほしい
3️⃣ 島の学校でも快く来てくれる方を希望
これらの要望を初回打ち合わせで学校よりいただきました。
志賀島小学校は全校児童わずか 17名 の小さな学校です。歴史的にも「魏志倭人伝」や「金印」などゆかりのある場所であり、自然にも恵まれています。5・6年生の担任の先生方とのヒアリングでは、「こんな小さな学校に来てくださる方がいるのでしょうか?」と心配もされていましたが…。
そこで今回お招きしたのは、なんと福岡県うきは市でラグビーチームを ゼロから立ち上げた 株式会社LERIROの 島川大輝代表 です!
「ラグビー」「0からチームを作った」というエピソードだけでも、子どもたちの興味を引きそうです✨ また、島川代表からも「志賀島小学校に喜んで行きます!」と熱意あふれるお返事をいただき、この授業が実現しました!
それでは授業の様子をレポートしていきます!どんな授業になったのか!
お楽しみに~😊
☟(株)LERIRO ホームページ☟
2. 親の敷いたレールを歩んでいたはずが…
__今回は、福岡市東区にある志賀島小学校を訪問しました__
学年の人数が少ないため、4・5・6年生7人全員でキャリア教育を実施。すごく距離が近くて全員参加型の授業ができそうです!
ラグビーボールを小脇に抱えた島川さんが登場し、ボールを机上に置くと自己紹介を始めました。
「名前は島川大輝といいます。ルリーロっていうラグビーチームをやっています。子どもたちの前で話すのははじめてなので、すごく緊張しています。優しく聞いてくれる人?」
子どもたちは笑顔で応じ、授業は温かい雰囲気でスタートしました。
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幼少期:親の敷いたレールを歩む日々
島川さんは神戸出身。幼い頃から野球が好きでしたが、親に勧められて塾通いの日々。「みんなと遊びたい」と思いつつも、親の期待に応える生活を送っていました。
1995年の阪神淡路大震災では、大きな揺れを体験。当時小学生だった島川さんの話に、子どもたちも真剣に耳を傾けました。
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中学校時代:新しい環境での葛藤
その後、埼玉県に引っ越したそうですが、関西弁と標準語の違いで言葉がなかなか通じなくて友だちとうちとけるのに時間がかかり苦労したそうです。
念願の野球部に入部しましたが、言葉の違いからチームワークがうまくいっていないように感じ、淋しさを感じる日々でした。
高校時代:ラグビーとの出会い
高校で初めてラグビーに出会います。親から塾や大学進学を勧められる中、高校の先生の勧めでラグビー部に入部。特に興味があったわけではありませんが、初めて自分の意思で選んだ道でした。
しかし、練習は厳しく、怪我も多くて辞めたいと思うことも。それでも「自分で決めたことだから」と続け、毎日泥だらけになりながらも厳しい練習を乗り越えました。ラグビーのチームプレーは、孤独だった小中学校時代とは違い、「仲間と一緒に取り組める」という居場所を初めて感じられるものでした。
3年間続けましたが、全国大会には届かず敗退。その悔しさが「母校を花園に連れて行きたい!」という情熱を生み、高校卒業後は選手を引退し、コーチになることを決意しました。
大学・社会人時代:夢を追い続けて
高校卒業後、親の期待をよそに「コーチになります!」と宣言し、高卒で働き始めた島川さん。しかし思うようにいかず、「やはり大学でラグビーを学ぶべきだ」と考え直し、当時最強だった早稲田大学を目指して受験。浪人の末に入学すると、同級生には有名選手が揃っており、大学では日本一を経験しました。
それでも目標は母校を花園に導くこと。その情熱で挑み続け、ついに目標を達成。しかしそこに至るまでに13年、島川さんは30歳に。さらに、母校は54年ぶりの快挙を成し遂げました。
高校でラグビーを選んだ日から始まった挑戦がようやく実を結びます。「これでラグビーは一区切り」と新たな道を模索し始めた島川さんは、ここで福岡へと向かうことになります。
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3. 30歳からの転機と「ルリーロ」の構想
30歳を迎えた島川さんは、ラグビー一筋だった日々から一転、ご縁があって税理士法人に勤め始めました。
「んっ?!税理士法人?!」
この意外な展開に、話を聞いていた子どもたちも先生たちも驚きました。今までラグビーボールを追いかけていた島川さんが、まさか数字を扱う仕事に就くとは思わなかったからです。
しかし、島川さんはもともと数字が得意だったそうです。九州全域のお客様を担当し、会社の経営を支える仕事をする中で、彼の人生を大きく変える出会いが訪れました。それは、うきは市にある唯一の高校、浮羽究真館高等学校のラグビー部監督、吉瀬晋太郎さんとの出会いでした。
吉瀬監督は「350人の生徒数のうち、60人をラグビー部員にした」という伝説のような話の持ち主です。部員を集め、チームとして成立させただけでも驚きですが、それ以上に彼の熱意が島川さんを引きつけました。「高校で日本一になる」と真剣に語る吉瀬監督の姿に、島川さんは衝撃を受けました。
「心の底からバカだなと思ったし、心の底からすごいなと思った」
ラグビーを辞めると決めていた島川さんにとって、この熱意は大きな刺激となったのです。
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さらに、島川さんの中で芽生えたのは、福岡の地で「ラグビーを続けられる環境を作りたい」という想いでした。高校を卒業した優秀な選手たちが関東の強豪大学へ進学してしまう現状を見て、「福岡に彼らを残せたらどれほどの可能性があるだろう」と考えるようになりました。
「地域で働きながらラグビーを続け、日本一を目指せる環境を作る。それが実現すれば、大人になってもラグビーを続けられるし、地域とのつながりも生まれる。」
そんな未来を描く中で、吉瀬監督からはさらに大きな言葉が投げかけられます。
「どうせそんな大きな話をするのであれば、ここから1000年続く地球に残るプロジェクトにしてください。地球のためにしてください。」
この言葉は、当初はあまりピンと来なかったものの、島川さんの中に新たな目標を芽生えさせました。「スポーツ×数字」という自分の得意分野を活かし、大きなプロジェクトを立ち上げる。それが「ルリーロ」構想の始まりでした。
ただ、ビジョンは描けても、実際に何から始めればよいのか。その課題に向き合うことが、新たな挑戦のスタートラインだったのです。
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4. 教室中の対話でラグビーチーム誕生!
「じゃあ、みんな、この志賀島にラグビーチームを作ろう!」
突然、島川さんがこう発言しました。子どもたちは驚きながらも、続く言葉に耳を傾けます。
「今ね、地球が1000年続くためにラグビーチームを作るってことだけが決まったんだよ。何しようか…。って言ってもさ、意味わかんないよね。でも実はね、2年前のぼくたちは最初こんな状態から始まったんだよ。」
子どもたちもだんだんその意味を理解し始めます。
「ラグビーチームを作ろう。何がいるかな?」と島川さんが質問を投げかけます。
「人!」「たくさんいる!」「審判!」「選手!」「15人で足りるっけ?」「練習相手もいるんじゃない?」「じゃあ30人?」
島川さんも時々口をはさみます。
「ケガしたらどうする? 30人で足りる?」
「じゃあ70人か!」「監督もいる!」「トレーナーは?」「グラウンド!」「ボールもいるよ!」
次々とアイデアが出てきます。最終的には、選手が50人、審判、相手チーム、監督、トレーナー、グラウンド、ボール、ユニフォーム、チーム名、靴、試合場所など、必要なものがどんどん出てきました。
一人の子が「グラウンド整備もしないといけないよね?」と言ったことを皮切りに「誰がするの?」「誰かに頼む?」「有名な選手もいるよね?」「どうやって集めるの?」「広告を出す?」「ホームページもいるんじゃない?」「写真撮る?」「カメラマンは?」と現実的な質問がどんどん出始めます。
話が進むにつれて、お金が何をするにも必要だということに気づき、子どもたちもその現実をしっかり理解し始めます。
島川さんが「志賀島だったらどこのグラウンドでする?」と聞くと、子どもたちは志賀島のあらゆる練習場所を提案していきます。地域のことをよく知っているからこそ、具体的な場所が次々と出てきます。
「ここを借りるためには誰に話をしたらいいか?」「お金をかけすぎないためにはどうしたらいいか?」と、どんどん意見が出てきました。
その間に、いつの間にかチーム名が「ゴールデンアイランドシティ」に決まっていました😊
子どもたちも知恵を絞り、次々と必要なものが浮かび上がり、島川さんとの対話が続きます。和気あいあいとした時間が流れていきました。
一通り意見が出終わった後で、「どうかな?チームできそう?」と島川さんが質問すると、子どもたちは元気よく「うん!できそう!」と答えます。自然と拍手が起こり、みんながその一歩を踏み出す気持ちを共有しました。
その言葉を受けて、島川さんはこう言います。
「みんなすごいね!ほんとにチームができそうだよ!すごい!実はさ、今みんなが言ってくれたこと、全部やったよ。ほんとに同じことやったよ。だからさ、みんなもできるよ!この志賀島にチーム作れるよ!」
島川さんは、1からチームを作るためにお願いしに行ったり、寄付を募ったり、応援をお願いしたりしてきたのです。チームもまだない、選手も実績もない、そんな状態で行動を起こし、想いを伝え続けた島川さん。その姿勢は本当にすごいです。
そして、行動を積み重ねていくことで、チームは実際にできていったのでした。
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5. 奇跡を重ねるルリーロの軌跡
ルリーロ福岡は、わずか3人からスタートし、7ヶ月後には九州リーグで優勝を達成するという驚くべき成長を遂げました。その名前は、うきは市の鳥・カワセミの瑠璃色の羽と、フランス語で「笑う」を意味する「Lerire」を掛け合わせた造語から生まれました。名前に込められた思いを子どもたちに伝えると、感嘆の声が上がります。
最初は選手が3人しか集まらず苦労も多かったものの、諦めずに続けた結果、チームは徐々に大きくなり、ついにはリーグワン参入という目標を達成。その裏には、地域の400社以上の企業の支援がありました。「地域企業対大企業」という不安もありましたが、ルリーロはそれを乗り越え、ついに大きな舞台へと進出しました。
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島川さんは、チーム作りの過程で「決められた道を進むのではなく、自分の道を切り開いていくこと」が大切だと子どもたちに伝え、実際に自らの決断で道を切り開いたことが、チームの成長に繋がったと教えてくれました。また、選手たちは昼間は地元で働き、夜は練習に励み、地域行事にも参加するなど、地元の人々との繋がりを大切にしています。
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質疑応答の時間では、子どもたちが島川さんに対してさまざまな質問を投げかけ、彼の答えを真剣に聞きました。島川さんは一つ一つの質問に丁寧に答え、子どもたちにとって貴重な学びとなりました。
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今回授業を受けた子どもたちや先生の感想を紹介していきます。
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6.今回のゆめナビ授業のまとめ
スポーツチームと聞くと、一般的には1つの企業が球団を所有するというイメージがありますが、ルリーロ福岡はその常識を覆し、なんと400社以上の企業から応援されているという驚くべきチームです。
島川さんが最初に多くの人に会って応援をお願いしたとき、どこに行っても「本当にできるのか?」と疑問の声がありました。しかし、島川さんはその言葉に対して、「その言葉を実現させるしかない」と強く決意し、言葉通りに有言実行を続けました。その強い意志と前進する力が、周りを巻き込み、ルリーロ福岡というチームを築き上げたのだと感じました。
島川さんが子どもたちに「1からチームを作る」という創造力を引き出しながら話してくださったおかげで、子どもたちは次々に意見を出し合い、まるで本当にチームができるような空気が生まれました。
このように、島川さんが一歩一歩歩みを進めてきた姿勢とその情熱は、子どもたちにも大きな刺激を与えてくれました。これからも、目の前の一歩を踏みしめていく大切さを改めて感じていってほしいとい思います。
子どもたちにわかりやすく、また心に残る形で伝えるために、事前にたくさん考え、準備をしてくださった島川さんに、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました😊
☟(株)LERIRO ホームページ☟
【おまけ】
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右:数日前にルリーロの記事を見つけていた校長先生がみんなに紹介
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右:授業後、校長室で楽しい談笑の時間
ゆめナビ授業、第4校目は志賀島小学校でした!
温かく迎え入れてくださった志賀島小学校の皆様、本当にありがとうございました~🐱