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暴風の先には終わらない稜線があった|谷川岳主脈
一晩中、たたきつけるような風の音を聞いていた。
4:40 すでに空は明るくなり始めていたが、晴れてはいない。
小屋から見える山の稜線は、分厚い雲に覆われていた。
今からあそこを目指す。
何度も天気予報は確認した。
今日は晴れる。
登山指数は「A」なのである。
信じて、平標山への登山道を登り始めた。
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平標山まで風は許容範囲だったが、仙ノ倉山に向かう稜線に入った途端、その勢いが変わった。
真っ白な視界が、強風で渦を巻いている。
しばらく行くと、前方からこちらに向かってくる人の姿。
私達より1時間半早く小屋を出発した5人グループだ。
この先は体が浮くほどの凄まじい暴風で、
仙の倉を越えるのは無理だと。
表情から恐怖が伝わってきた。
彼らは下山するという。
むう。。
この先の稜線上に風を避けられる場所はない。
私達も平標山まで一旦引き返し、そこで作戦会議をすることにした。
天気予報を信じるのであれば、たぶん、この暴風は長くは続かない。
待てば回復するだろう。
問題は、どれだけ待つか。
行程の所要時間や、風をよける場所もない山頂で待機する限界。
待っても、ギリギリ1時間までか。
そこで天気回復しなければ、あきらめて下山しようと決めた。
湯沢で温泉入って、美味しいものでも食べて帰るか。。
それも悪くない。
寒さを感じる前に、持ってる防寒着をすべて着込む。
風による体力消耗を最小限にするため、さらにシュラフカバーに包まった。
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じーっと待っていると、太陽がぼんやり見えてきた。
すごい速さで流れる雲の隙間から、青空が顔を出してきた。
よし!行ける!!
待機から50分後、行動再開!!
温泉に傾きかけた気持ちを、グイっと引き戻す。
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ガスの中で見つけたお花とその後の道中のお花たち
それからはどんどん雲が切れて、一気にどっピーカン!になる。
嘘みたいだけど、いきなり360度の大パノラマが目の前に広がった☆
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しかし
大迫力の景色と裏腹に、このコースはかなりタフ。
最初のうちは大声で歌なんぞ歌いながら元気に進んでいたものの、段々とコースの厳しさを目の当たりにする。
永遠に思えるアップダウン
細く切れた登山道
崖っぷちのような岩場
足を止めても、休めるベンチも木陰もない。
もう歩き続けるしかないのだ。
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ひぃ~~😰
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キツイ、怖い、暑いの連続で、ムスメはだんだん無言になり修行モード💦
行程は大幅に遅れている。
あの手この手で頑張ってもらうしかない。
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ちなみに、赤パンツはレイン。
草ボーボー、小虫多い、岩場多い、強い日差し、で短パンはNGだった。
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肩ノ小屋でようやく冷たい飲み物にありつきホッとするも束の間、
時間が押しているww
目の前のオキトマ山頂は泣く泣くあきらめ、天神平ロープウェイまでの下山道を急ぐ。
が!この下山ルートがまたガレガレの岩場で、足ガクガクのムスメは半泣き(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
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谷川岳主脈は期待を裏切らないおなかいっぱいコース。
後半はだいふキツかったけど、
稜線の美しさと雄大さは間違いなく堪能した。
代償は、筋肉痛と日焼けww
谷川岳はものすごい観光地だった。
登山道が渋滞するほどの人の多さにびっくり!(*_*)
やっぱり人の少ないところが好きだなぁ。
仕掛り中のぐんま県境稜線トレイル、
あとは谷川岳馬蹄形を残すのみ。
これも楽じゃないのは知ってるけど、ようやく終わりが見えてきた♪
何年越しになるんだろう(笑)
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2023.7.2☁→☀
[平標山乃家→谷川岳天神平]
4:40 平標山乃家S
5:20 平標山
(仙の倉へ進むが、強風のため引き返し平標山で待機)
6:50 平標山再スタート
7:25 仙の倉山
8:20 エビス大黒ノ頭
10:25 万太郎山
11:15 大障子ノ頭
12:00 小障子ノ頭
12:50 オジカ沢ノ頭
14:00 肩の小屋(25分休憩)
16:00 天神平ロープウェイ駅G
D:19.1km
T:11時間22分(引き返し→待機時間含む)
+1690m -2029m