支援物資の配り方をAIに聞いてみた
私は、地元の避難所運営に関わっていて、現在、避難所運営マニュアルに盛り込む内容を選定、協議中。今回の北陸の震災でも避難所運営は行われているが、いつも不思議に、そして残念に思うことがある。
なぜ、何年経っても、避難所運営の良し悪しが、その避難所次第なのか
日本は災害大国で、何年かおきに大きな自然災害に見舞われているが、その都度、その都度、最初からって感じが否めない。どうしてもっときちんと国レベルの避難所運営マニュアルができないのか。
上手に運営できるかどうかが、避難所のスタッフの力量に左右されるというところがある。また、経験のある自治体が経験の伝授を名乗り出ても、上手な受け入れ態勢が取れないところもある。こういうことは日頃から連携が取れている必要がある。
災害が起きるたびに「またか」という盗難事件や犯罪も起きる。
私たちも、いざ災害で我が家を失った時に、どういう手続きが必要なのか分からないままでいる。実際に被災してからスマホで調べるのが当たり前になってきているが、これは先進国としておかしい。
もちろん地域の特性はある。地震が起きた時、津波の危険性がある地域とまったくない地域ではマニュアルが違うだろう。そういうオプショナル的なところは、あとからそこに足し引きしていけばいいという、基本のマニュアルがない。というか、全国各地に伝わってない。
実際、私の地区でも、他市のを参考にしたり、隣の避難所予定学校のマニュアルを参考にしたりしている。二度手間のように感じるし、めっちゃ1から感が否めない。
その1から感をなくすために、どのようなフレームで避難所運営マニュアルを作っていったらいいか考えた結果、その手段の1つとして、AI、chat-GPTの活用に行きついた。これで少しマシになるか。
試しに明日の会議の検討議題になっている件について、質問してみた。
わたし
避難所のスタッフです。届いた物資をどのようにしたら公平に、迅速に、また必要な人に必要な量だけ配れるか。
ChatGPT
避難所のスタッフとして、届いた物資を公平かつ迅速に、そして必要な人に必要な量だけ配るためには、以下の手順や方法を検討することが重要です。
1. 物資の受け入れと整理
a. リストの作成
必要な物資のリスト作成: 避難者のニーズに基づいて、必要な物資のリストを作成します。食料、飲料水、寝具、衣類、医薬品などを含む幅広いカテゴリーを考慮します。
b. 受け入れ制限の設定
受け入れ可能な物資の制限: 避難所の収容能力や避難者の数に応じて、受け入れ可能な物資の制限を設定します。これにより、過剰な物資が届いたり、保管場所に困ることを防ぎます。
2. 適切な配布プロセス
a. 登録と評価
避難者の登録: 避難者全員を登録し、必要な物資の評価を行います。家族単位での登録が可能であれば、より正確な配布が可能です。
避難者のニーズの評価: 避難者のニーズや特別な要望を確認し、それに基づいて物資の配布を計画します。
b. 公正で効率的な配布
番号札や登録順による配布: 避難者に番号札を割り振り、または登録順に配布することで、公平かつ効率的な物資の配布が可能です。
物資の種類ごとに制限設定: 物資の種類ごとに配布制限を設け、避難者全員に均等に提供できるように心がけます。
3. コミュニケーションと透明性
a. 情報提供と説明
スピーカーアナウンスや掲示物の活用: 配布プロセスや物資の提供に関する情報をスピーカーアナウンスや掲示物を通じて透明かつ理解しやすく提供します。
スタッフとのコミュニケーション: 避難者とのコミュニケーションを大切にし、物資に関する疑問や要望に迅速に対応します。
4. ボランティアの協力
物資の整理と配布に参加するボランティア: 物資の整理や配布作業にボランティアを積極的に参加させ、スタッフの手を助けることで迅速な配布が可能となります。
5. 在庫管理と再評価
物資の在庫管理: 配布された物資の在庫を管理し、必要に応じて再評価を行います。避難者のニーズが変化するにつれて、物資の量や種類を適切に調整します。
これらの手順を組み合わせ、適切な物資の受け入れから効果的な配布までのプロセスを確立することで、公平で迅速かつ必要な人に必要なだけの量が提供されるでしょう。透明性と効率性を重視し、避難者の安全と快適な避難生活をサポートすることが求められます。
すばらしい!
何がすばらしいかって、今回は5つに分けて考えろって提案してくれたところ。
物資の受け入れと整理
適切な配布プロセス
コミュニケーションと透明性
ボランティアの協力
在庫管理と再評価
避難所運営経験者や、自主防災会の会員がいる会議だと、どうしても話が具体的なところに行きやすい。もちろん、知識としてはとてもありがたいものばかり。マンホールトイレの仕組みだとか、おにぎりの個数が足りない時の上手な分配方法だとか、めっちゃ役に立つ。でも、そういう話をしてばかりではいけない。マニュアルを作るという目的があるからだ。
もちろん、横道にそれないファシリも大事だけど、何について、どう切り分けて考えを進めていくかということが頭にあると助かる。
それぞれの話の深度も、そろえていかないといけない。初めに話し合った第1章だけ、めちゃくちゃ具体的……というようなことがあってはならないから。
もちろんすべてをchat-GPTに頼ってはいけない。この5つの分類を軸に、地元ならではの要素や、それこそ経験者としての知恵を盛り付けていけばいいし、関係性の低いところはカットしていけばいいよね。
chatGPTの使い方として、今回分かったのは、知恵を拝借するだけでなく、発想のフレームを提供してくれるってこと。
もちろんこのフレームは AI の知識の出どころである過去の蓄積。AI はどこからその知恵を持って来ているかというと、結局、過去のデータ、全人類の今までの知恵だ。
そう、これは避難所運営と同じだ。日本は災害大国で、ノウハウがめちゃくちゃ溜まっている。各県、各市、各団体、各企業ごとにノウハウが溜まっている。ただ、それを集めて、分類、検討して、まとめ直す力が国にはない。
そういう作業は、AI の方が優秀だ。