教育、福祉、防災。どれが裏切らない?
文章力養成コーチの松嶋です。私の本業は「教育支援業」というジャンルになる。市の委託でもコミュニティスクール委員と、地域未来塾のコーディネーターの仕事をしている。他にも市関係だと、福祉の関係で、ボランティアセンターの委員をしているし、今は防災の関係で、避難所運営連絡協議会のメンバーでもある。
私の市関係の仕事は、大きく分けると「教育」「福祉」「防災」という分野に分けられる。
昨日、防災訓練も済んだので、ちょっと防災の方に力を入れてる感じになっている。そのことを友達に話したら「防災士の資格を取るといいよ」とアドバイスされたので、ちゃんと調べて資格を取ろうかなと思い始めた。けれど、それは避難所運営マニュアルをちゃんとしたものにするための行動であって、別に防災士で生きていこうとか、そういう風には思っていない。
でも、避難所別に、あっちもこっちも一から避難所マニュアルを作るよりは、市で基本の基本となるようなマニュアルがあって、それを地域ごとに最適化したらいいなと思っている。で、もちろん、市には基本のマニュアルのようなものがあるんだけどと、改訂が途中だという話になっていて、そこに尽力したいなと思った。
しかし、酸いも甘いも嚙み分けるその友達によると
勉強して、実態を知るほどに、やりきれない気持ちになる…かも
とのこと。分かる。分かりすぎる。分かり味がありすぎる。
実は、私は福祉でその徒労感を味わった経験がある。
脳損傷者の支援をする NPO にいた時に、失語症者向け意思疎通支援事業の講習会を2年受け、失語症がある人のための意思疎通者の資格を取った。
失語症がある人の意思疎通支援者とは、簡単に言うと、聴覚障害がある方のための手話通訳と同じようなもの。意思疎通を支援する仕事だ。
張り切って資格を取ったのに、この市では、なんとそれを受け入れる事業ができていない。資格を取ってからもう数年になるけれど、私は自分の市でこの仕事をしたことがない。私が住む小金井市には、高次脳機能障害の支援で有名な市民団体があるし、高次脳機能障害で有名な先生もその団体の顧問だったし、私のような意思疎通支援者もいることだし、小金井で失語症者のための支援事業を始めましょうよ!とかなり奮闘した。
福祉課の人とかもずいぶん話し合ったけど、前例がないとか、予算が足りないとか、色々な言い訳をつけて、全く話が進まなかった。ようやく話が進んだその矢先、担当者が福祉課から年金課か市民課だかに部署替えになって振出しに戻り、その後、支援団体の代表者が交代になり、 私も NPO をやめてしまった。こんな豪華メンバー(笑)はいないというくらいせっかくメンツが揃ったのに、またゼロになってしまった。
私はあの徒労感を忘れない
同じことが防災でも起きるのかと思うと、ちょっと私は耐えられないかもしれない。この市のことが、この町のことが、好きになれなくなるかもしれないなと思っている。
幸い教育に関しては素晴らしい人が教育長であるし、まだ夢は壊されていない。こうした方がいいんじゃないかという意見には、必ず耳を傾けて教育委員会は動いてくれる。私だけかもしれないが「裏切られた!」という経験は一度もない。
やりたいことをやった方がいいのか、裏切らない業界を選んで注力した方がいいのか、悩む。
でも、教育なら教育、福祉なら福祉、防災なら防災と、ふつうはどれかに偏って所属するものなのに、私のように3つの分野を兼任している人は珍しいみたい。でもまあ、教育も福祉も防災も、私からみたら同じ。人の為を思って行動すればいい。でも、裏切られるのはしんどいな。