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将来の仲間を最初から巻き込む

まずは一度見学してみよう、ではなく、最初からガッツリ参加する。
まずは小さく始めるのではなく、大きく始めて早く失敗を体験する。
これが大事かと思う。

先日、同じ日に教育関係の委員会と福祉関係の委員会に出席した際、活動を広げていく際に起きる問題を解決する共通の方法を見つけたのでそのお話。

我が中学でもやってみたいなら~教育関係の委員会にて

ある中学校では、地域住民と共同で防災訓練を行っている。大地震などの災害が起きた時に、中高生という年齢層の子達は、保護される立場の小学生とは違い、一人の大人として避難所運営等で活躍できる。特に、知恵はあるが足腰が弱い中高年と違い、とにかく体力があるので、非常時にその働きが役に立ったという事例がある。また中高生もそういう時に自分が地域の役に立つ経験をすることは尊い。この中学校では、防災訓練を地域と合同で行うことが、学校にとっても大きなメリットになっている。
実際、この中学校では、仮設トイレの組み立てから排泄物の運搬まで、中学生でできるようになっている。これはものすごく素晴らしいことだ。一般的な中学生は、非常時に自分の排せつ物をどうするかさえ、親任せだと思う。
ところが、同じ市内でも、地域との関わりが薄い中学校があり、このような理想的な訓練などは一度も行われてない学校もある。

こういう場合は、両方の地区に関わっているハブになる人が、実際に動けるスタッフを引き連れて、訓練に参加するのが望ましい。そういう話が出た。その方法が重要だ。
「まずは代表者が一度見学に行ってみよう」というのが常套手段だが、それだと、持ち帰って検討事項にしてしまうことになり、熱量も下がるし、リアリティも伝わらないし、自分のところだったらどうするかの想像も難しい。もう、いっそのこと、一緒に参加してしまえばいい。大人数で。持ち帰った時に熱が冷めてしまった情報は、受け取った方も「うちの地区じゃ無理そうだね」の一言で処理してしまうかもしれない。新しいことはたいてい面倒だからよほど余裕のある団体じゃない限り、メリットが見えても行動が起こせない。だけど実際にそこに加わってみてしまえばいい。特に避難訓練などは、大勢の人が関わることで相互に効果があるし、勉強させてもらっている方は、関わりながら、実際に体を動かしながら、例えば「うちの地区の場合の炊き出しの場所はここだな」とか「うちの地区だとごみはここで処理するのがいいかも」など、体験と同時に自分の地区にイメージをスライドさせることができる。それはもう実施計画と同等の価値があるように思う。

将来の仲間を最初から巻き込む~福祉の委員会にて

将来的に市内の色々な地区で起きてほしい福祉のイベント、新しい企画を一からを起動させるのに、まずは委員会(身内スタッフ)で敷地内で始めてみようという提案があった。それに対して、おそらくこういうことに慣れている委員から「将来、拡散させようと思っている、目星をつけている担当地区の動けそうな人たちを、最初から巻き込んでしまえばいいという意見が出た。これは全くその通り。議事録に「松嶋委員激しくうなづいた」って書いておいてね!とボイスレコーダーに向かって祈った。
「まずは小さく始めてみよう」というセリフは本当に良く聞くセリフだ。特に福祉の世界で多い。でも、頭をクリアにして、今までのことを思い出して、認識しなおしてほしい。小さく始めたものは、小さく終わることが多い。大きく始めないと、何が違ったのか分からならだ。小さく始めたら、失敗も少ない。そういう心理が働いているのかもしれないけど、失敗は少なければ少ないほど、学びもその分少ないってことは、大人は知っているはず。失敗の話はまたいつか。
将来的に大きくしようという計画があるのだったら、その先の計画にある地域や団体の人達を、スタートアップから、最初から巻き込んじゃえばいいのだ。「こういうことを色々な地区で始めてみたいんですが、最初から参加して助言をくれませんか?」と巻き込んじゃえばいい。特に公的な立場の組織はそうすべきだ。噂も広まるし、参加者から今まで気づかなかった点について助言が山のようにもらえるし、一石二鳥。参加者側も「ゆくゆくはうちの地区でもやるかもしれないのだな」と熱量を持って参加できるし、体験しながら、うちの場合は場所の確保はどうするのか、トイレはどうするのか、水道はどこから引くのか、ごみはどう処理するのかといった具体的でその地区ならではのリソースをイメージできる。

ダメな体験会は見学者が壁際に並んでいる図。この活動は広がりっこない。

まずは一度見学してみよう、ではなく、最初からガッツリ参加する。まずは小さく始めるのではなく、大きく始めて早く失敗を体験する。これが大事かと。誘う方にも誘われる方にも。

将来の仲間は最初から巻き込むのがいい。

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