国語ができないのは実は国語力不足なんかじゃないかも
「うちの子、国語力が心配で…」というご相談をよくいただきます。ですが、お話を詳しく伺うと、実は「国語力」ではなく、「計画力」や「注意力」の不足が問題だと感じることが多いです。では、「国語力」とは本当は何なのでしょうか?
子どもの弱点はどこにある?
私が国語の成績について相談を受ける際、他の教科のテスト答案も見せてもらうことがあります。そこで分かるのは、国語に限らず次のような傾向があるということです。
最後までテストを終えられない → 計画力や総合的な力が不足している
うっかりミスが多い → 注意力が不足している
自分の意見が書けない → コミュニケーション力が不足している
最初から間違えている → 知識不足が原因
問題に手を付けられていない → 総合的な力不足や経験不足
このように、成績が伸びない理由は一つではなく、様々な要因が絡み合っています。お子さんの答案を見て、どのポイントが不足しているのかを一緒に考えてみてください。
テストの種類も要注意!
また、テストの種類によっても、点数が取れない理由は異なります。特に進学塾のテストや学力判定テストは、問題に独特な「型」があるため、その形式に慣れていない子は苦戦しがちです。
例えば、学校の国語のテストでは「太郎さんの気持ちを答えなさい」という問題が出ますが、塾のテストでは「太郎さんの気持ちが書かれた文を選び、その最初と最後の五文字を答えなさい」といった、細かい指示があることも。
この違いに慣れていないと、学校では普通の成績でも、塾のテストでは大きな点差が出ることがあります。特に中学受験を目指す場合は、このような形式に早めに慣れることが大切です。ただ、私は小4の夏頃からでも十分だと思います。この点についてはまた別の機会にお話ししますね。
学校の国語で身につく力は?
「やっぱり学校だけではダメなのかな?」と不安になることもあるでしょう。実際、学校の授業だけでは十分に対応できない面もあります。学習指導要領の目標には「話す力」「聞く力」「書く力」「読む力」が掲げられていますが、実際の授業では一つの教材を深く掘り下げることが多く、もっと多様なアプローチが必要だと感じます。
とはいえ、学校の改革を待っていたら、お子さんの成長を待つわけにはいきません。では、どうすればいいのでしょうか?
家庭で国語力は育てられる!
実は、国語力を伸ばすには、家庭でできることがたくさんあります。例えば、計画力は日常生活の中で育てることが可能です。買い物の計画を立てたり、宿題の順番を決めたり、夏休みの過ごし方を考えたりする中で、計画的に物事に取り組む力が養われます。
もちろん、問題集を使ってテスト対策をするのも一つの方法ですが、それだけが勉強ではありません。日常の中で計画力や注意力を育てることで、テストだけでなく、人生全般に役立つ力が身につきます。
他にも、注意力やコミュニケーション力、知識力、経験も、日常の親子の会話や体験を通じて育てられます。宿題やゲームだけでなく、家族とたくさん話す子どもは、言葉の力が格段に伸びることが多いのです。
お薦めの本
この辺りの本を読むと家でできる具体的な方法が分かるかもという3冊を紹介します。
どの本も少し前の本ですが、まったく廃れない内容、つまり、普遍的な内容の本なのです。
国語のできる子どもを育てる (講談社現代新書)
工藤順一 (著)
学力は家庭で伸びる (小学館文庫)
陰山英男 (著)
全教科の成績が良くなる 国語の力を親が伸ばす
高濱 正伸 (著)
個別相談でお子さんに合ったサポートを
私の講座では、保護者と一緒に「なぜできないのか」という原因を一つひとつ見つけていきます。お子さん一人ひとりに合わせたアプローチで、国語力をはじめ、様々な学習面でのサポートを行っています。小学生のコースも、中学生のコースも、高校生のコースも、保護者とはzoomなどで教育相談を受け付けています。
もしお子さんの国語力や学習全般に悩みがある場合は、まずはお問い合わせください。そしてぜひ一度、個別相談でお話ししましょう。私の講座が、家庭での学習や日常生活の中で子どもの力を伸ばすお手伝いができればと思います。