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親の手直しは百害あって一利なし

文章力養成コーチの松嶋です。毎年、この時期は読書感想文指導に明け暮れています。そんな中、毎年、保護者の方から来る質問があります。

気になるところがあるので、手直しをした方がいいですか?

分かる。分かります!
これ、文章に限ったことじゃないんですよね。
子どもより長く生きている分、こうしたらスムースに行く、こうしたらイイ感じになるっていう感覚ね。
お皿の洗い方や、片付けの手順、挨拶の仕方や、友だちとけんかしたときの仲直りの方法まで。親は経験してきた分、知っているんです。でも、それをなぜ知っているかというと、経験してきたからですよね?
すっごく逆説的ですが、子どもが本当に理解しようと思ったら、経験させるしかないんですよ。その権利を親が取っちゃだめなんです。

文章はもっと複雑で、他のことと違い、取り上げると自分でできなくなるだけでなく、自分で考えない人間になっちゃうんです。

たしかに、自分の方が良い文章が書けると思っている親は多いのです。私だってそうです(笑)が、教師の私から見ると、子どもの方がずっと良い文章を書いています。親の書く文章は、無難なだけです。及第点なだけです。

そして、何よりも悪いことは、親が手を加えることで、子どもが「それが正解」だと思ってしまうこと。この弊害は大きいのです。そうなると、文章どころか、他の事についても、親以上の人間にならないんです。

「信頼して放置」
その方が、ずっとずっと子供に良いのです。

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