自分の歯、じっくり見たことある？

11月8日は、いい歯の日。

毎日の習慣で、当たり前のようにする歯磨き。
もはや、当たり前過ぎて歯を磨くって事をそんなに意識せずともやっちゃってること。

私は、歯科医院に勤務してるので毎日いろんな人のお口の中を見てる。
だから、口の中や歯の並び、どこに汚れが溜まりやすいかとか、意識しながら歯磨きをする事を、無意識にやっちゃってる。

歯医者で仕事をしていると、歯に対する意識の持ち方がこれほどまでにそれぞれ違うのかと、正直驚く。

簡単に分ければ、

歯医者が大好きな人と、歯医者が大嫌いな人。

歯医者が大好きな人なんて居るの？！って思うかもだけど、居るんですよちゃんと。

しかも、そういう方は大好きな場所なだけあって、定期検診を欠かさない。
何も症状が無くても、来院される。
例え、症状が出たとしても、本当に初期の段階で来院されるから、治療も簡単に終わるし、痛みに悩まされる事も少ない。

逆に、歯医者が大嫌いな人。
理由としては、怖い、痛い、音が嫌、匂いだけでイヤ、などなど。

私の勤めている患者様で、40代男性のとっても歯医者が苦手な方がいらっしゃる。
歯医者が大大大嫌いなんですっ！！！！ってオーラが全身から放たれてるのが、ビンビン伝わってくるレベル。
だから、我慢出来ないくらい、痛くてたまらない状態にならないと、来院されない。
チェアに座るまでも、覚悟を決めるまでちょっと時間くださいと言わんばかりに、ゆっくり。
やっと、座ってくれたと思えば、ギュッと目をつぶって、ベルトの端を握りしめて、全身に力が入りまくってる状態で、見てるこっちも緊張しちゃう。

末期の状態での治療スタートだから、当然日にちもかかるし、麻酔が必要だったりで、本当に辛そう。
しかも、やっぱり歯医者が嫌いだから痛みが治ると通院を治療の途中で辞めちゃう事もしばしば。
だから、何度も同じ歯に対しての治療、通院を繰り返してしまっている。

そんな彼に、私はちょっとお話しさせてもらった。

歯医者大嫌いですよね。
大嫌いだからこそ、定期検診に半年に1回とかで良いんで来る方が良いですよ。
検診で何もないなら、よかったねですぐ終われる。
もし、虫歯が見つかっても初期だから、サクッとそんなに痛みに苦しまなくともすぐ治せますから。
今回、頑張ってきちんと治して、そこから定期検診をしっかり受ける。
その方がメンタルも体にも負担が少ないと思うので。
もし、半年経っちゃうと忘れちゃうとかであれば、リコールのおハガキもお送りしますから。

彼は、そうですよね！そうなんですよねぇー。って、理解はしてくれた。

だけど、やっぱ嫌いなモノには近づきたくないらしい。

こういう患者様が、少しでも来る気になってくれるような工夫が出来たらいいなと、日々思う。
嫌いなモノは、嫌いなままでしょうがない。
だけど、半年に1回で良いから、数分我慢する事をしてくれるようになって欲しい。

歯の痛みって、本当に辛い。
ご飯が食べれないって、本当に悲しい。
ご飯を食べるって、健康の基本中の基本。
人間のカラダは、食べたモノで出来てるから。
それを、しっかりよく噛んで美味しく頂くためにも、歯は本当に大切。
自分の歯で、噛んで食べられるって事が、どれほど幸せな事なのか。
自分の歯を失って、義歯にしなきゃいけなくなった現実を受け入れる瞬間に立ち会う度に痛感する。

将来ずっと自分の歯でご飯が食べられるように、今日も私は自分の歯を意識して、歯磨きをする。