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「スピリッツ・チャイルド」のお話し会に参加して、敏感で繊細で面倒くさい息子の将来が楽しみになった件
「スピリッツ・チャイルド」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
ひと一倍、気難しくて激しい子。ある一定の割合でいるとされる、感覚が敏感でエネルギーが高い子のことを「スピリッツ・チャイルド」というそうだ。
1.「スピリッツ・チャイルド」のお話会に参加してみた
ひと一倍、気難しくて激しい子。
息子はもちろん、わたし自身がそれに思い当たるフシがある。
アメリカで生まれたこの「スピリッツ・チャイルド」の概念を、日本で広める活動をされている、鳥居佐織さんと言う方の「スピリッツチャイルドお話会」に参加してみた。
鳥居さんのプロフィールはこちら
HSPとは少し違う切り口のスピリッツ・チャイルド
最近、「ひといちばい繊細(敏感)」な特性を持つ人が、一定の割合で存在するというのが分かってきている。その研究の第一人者、アーロン博士という方が提唱したHSC(Highy Sensitive Child)、大人だとHSP(Highly Sensitive Person)という言葉も聞いたことがある人がいるかもしれない。
ロンブーの田村淳さんが自分もHSPだと言って話題になったり、みんながみんな同じではなく、とても繊細な子も世の中にいるよと言う認識が広まってきた。
HSPについて詳しくは、日本では武田友紀さんと言う方が書いた「繊細さんの本」や、感性キッズとHSCという認識の普及活動をされている皆川久美子さんなどによって、広められるようになってきた。普及に携わる方々もHSPを自認されている方々だ。
皆川久美子さん主催の「感性キッズ」
今回のお話会は、皆川さんの「感性キッズ」が主催。精力的に繊細な子、敏感な子、そして繊細で敏感な大人たちのフォローをしてくださっている。
HSCについては、わたしも当てはまる部分があるので、武田さんの繊細さんの本は読んだ。敏感といってもわたしは刺激を求める型の亜種、HSSなようで、同じHSPでもいろんなタイプがいるらしい。
詳しい勉強はしていないのだが、なんとなくざっくり把握はしてて、興味はあった。
HSCとは少し違う概念の「スピリッツ・チャイルド」
それと似ていてまた少し違う概念が「スピリッツ・チャイルド」だそうだ。メアリー・シーディ氏が提唱した概念だそうで、まだ日本で普及活動をしているのは鳥居さんのみとのこと。
HSPの定義とまた少し認識というか、切り口が違うけど、とても似ているなと思う。提唱者が違うので、違った切り口になるのは当たり前だが、スピリッツ・チャイルドのほうが、より感情のエネルギーが高いイメージ。概念の話で線引きがあるわけではないので、HSP、かつスピリッツ・チャイルドという人も多いだろう。
敏感で洞察力があって、感情のエネルギーがとても大きく、気難しい子を「スピリッツチャイルド」とするらしい。
スピリッツ・チャイルドの特徴
提唱者、メアリー氏によるスピリッツ・チャイルドの特徴はこちら。
★スピリッツ・チャイルドの特徴的な五つの性格
1.とにかく気性が激しい
2.手がつけられないほどかたくな
3.とても敏感である
4. いつでも知覚が鋭い
5. 変化に適応するのが遅い
★四つのおまけの性格
6. いつでも気まぐれ
7. エネルギーにあふれている
8. 最初はしり込みをする
9. 気むずかしい
※『言うことを聞かないのはどうしてなの?スピリッツ・チャイルドの育て方』メアリー・シーディ著 (サンマーク出版2011/11/02)より
その特徴を聞いて、うちの息子はもちろん、どちらかというと、それ私じゃん!と言う項目が多かったので、そのスピリッツチャイルドと言う概念を広める第一人者となっている鳥居さんのお話は興味深かった。
鳥居さんの娘さんはとても気性が激しく、とても子育てに苦労したらしい。感情が外に向くので、本当に大変だっただろう。そんな大変な育児をするなかで、スピリッツチャイルドという概念に出会い、鳥居さん自身もスピリッツアダルトであると気づいたそうだ。
どうにも手がかかる子を、なんとかしつけなければ、と思っているうちは親子ともに本当に苦しいものだ。わたしも幼いころから敏感で、こうと言ったら聞かない、変化に弱い、新しい場所が苦手な息子をいったいどう育てればよいのかわからず途方に暮れた。
2.「普通じゃない息子」の子育てに悩みまくった過去
わたしも、今でこそ息子の個性に付き合おうと納得しているが、息子が小さいころは敏感な息子に戸惑い、とにかく手を焼いた。
周りの子と違って、みんないる場所で遊ばない。それどころか不安が強く、買い物ひとつでも「どこ行くの?怖い!」と泣き叫び、外に行くのを嫌がる。家から出すのに一苦労で心が折れた。
慣れない育児の息抜きに、知り合いになったママ友とお出かけするにも、息子はとにかく知らない場所で大号泣。ほかの子たちは楽しそうに遊んでいるのに帰りたいと泣く。辛かった。
幼稚園にあがる年少の歳になっても、小さい子がたくさんいる場所を拒否ていた息子をどうしたものかと悩みに悩んだ時期があった。発達相談にも行ったが、聞かれたことには答えられるし、指示も通るので様子見。けれどとにかく幼稚園みたいなガチャガチャした場所が無理。
年少から幼稚園に入れないと後れを取ってしまうのではないかと悩みに悩んだ。似たような子が周りにいないので余計に孤独だった。思い返せばほぼノイローゼだ。とにかく周りの子と違う息子に戸惑う毎日。
悩みに悩んで、息子に無理させて幼稚園の年少さんに入れることをやめ、息子がギリ馴染めそうなプレスクールに入れることを決めたとき、息子という生きものを「世の中の普通に合わせる育てかた」ではなく、「息子らしく育てよう」と思えて、少しだけ自分が変われたかもしれない。
そこからもずっと、息子は気難しくて、幼稚園、小学校とあがるたびに、息子の性質について担任の先生に説明を加えた。日常生活や集団行動はできるのだけど、とても疲れるということ。こういう部分を不安に感じてしまうので、ケアお願いしますなど、あれこれ説明をした。それにどれくらい理解されていたかは分からないが、息子の取説を伝えることで、少しでも学校で快適に過ごしてもらいたかった。
こんな感じで、いまでこそ、ゆるく、生暖かく見守る育児スタイルに落ち着いてはいるが、よくいる普通の子どもと違うと受け入れるまで、ある種の「諦め」を受け入れるまで、かなり自分の中で葛藤があった。
そしてわたし自身も、自分が気づくこと、見えていることは他の人も同じように見えていると信じて疑わなかったが、実はわたしは、もしかしたら他の人より敏感で繊細なのかもしれないと気づくようになった。
「よく気付く」って実は疲れる
よく気づくとか、感覚が敏感て「便利そう」な印象を受ける方もいるかもしれないが、気づいてしまうと思考が先回りしてしまうし、敏感だと、他の人が気にならないような臭いや音が気になる。自分の意思とは関係なく「気づいてしまう」「感じてしまう」のは時にとてもしんどい。
本質的な考えを持っているので、「そういうことになっている」とか「長いものに巻かれる」とか、思考停止案件に拒否反応が起こって、人よりストレスが強い。だからといっておかしいと提案しても、逆に面倒くさいやつと思われて抑え込まれる場合もある。
できるんだからいいでしょ、気づくんだからいいでしょ、といって重宝がられることもあるが、他人より気付いてしまうって、結構疲れるのだ。
そんなわたしだから、息子もけっこう疲れるんだろうなとおもんばかることができてよかったなと思うが、親子して疲れる性質を背負って生まれてしまったものだなぁと思う。
3.スピリッツ・チャイルドテストをしたら、バリバリ「スピリッツ親子」だった
ちょっと話が脱線したが、スピリッツ・チャイルドのお話会に戻ろう。話の中で自分や自分の子どもがスピリッツ・チャイルドかどうかの指標を測るテストがあった。
チェックリストとしては
・気性の激しさ
・かたくなさ
・敏感さ
・知覚の鋭さ
・適応力
・規則正しさ
・エネルギー
・最初の反応
・気分
について1~5点をつけていき、合計点でスピリッツチャイルド度を見るというもの。
お話会の中でわたしと息子を採点してみたら、2人ともスピリッツチャイルド(わたしはアダルト)に該当した。
融通の利かなさは息子もなかなかのものだが、激しさという意味ではわたしのほうが強いなと思う。
息子は奥手で、家が好きで、保守的で不安が強い。なので、ただこだわりがめちゃくちゃ強くて、反発し出すともう全く言うことを聞かない。
私もこだわりが強いのだが、すべてのエネルギーが外に向かうので、おかしいと思ったらそれおかしくないですか?と噛み付いたり、やりたいことがあれば外に発信したり、興味があることにはどんどん調べて自分で勝手に習い事をしてしまったりする方なので、息子とベクトルが違うのだが、スピリッツ親子という結果に納得。
4.スピリッツ・チャイルドをどう育てるか?
そんなエネルギー溢れて洞察力に長けた「スピリッツ・チャイルド」は、素晴らしい個性を持っているが、とにかく扱いにくいのも特徴。
それはわたしも息子を育ててずっと味わってきたし、わたし自身も自分の扱いに困ることも多かった。
けれど、こだわりが強く、感情のコントロールが苦手な子は、当然他人から見ても扱いにくい人になって浮きやすい。だから自己肯定感が下がりやすい。
だからこそ、とにかく親ができることは、息子を否定しないこと。
こだわりが強すぎてパニックに陥ったら、とにかくクールダウンをすること。そして息子のパニックに巻き込まれないよう、自分は「台風の目」「嵐の中の船長」になったつもりで、「それは大変だね」と客観視して子どものクールダウンの一助になれるようにすること。
ただでさえ思い通りにならない子育てで、疲弊しきった母親が、息子がパニックになったときに冷静に「嵐の中の船長」をやるというのは、相当訓練がいると思うが、要は一緒になって怒ってないで、少しお互いクールダウンをする時間を取るのが必要だということだ。
息子は相変わらず本質は変わらないが、中2になって周りも見えてきて、わけも分からずパニクることはなくなってきた。その代わり態度がひどいもんなので、わたしがブチギレて泣きだすことがある。
そういうときは、後から、疲れてたから発狂しちゃってごめんね。というようにしている。
そして学校でいじられたりと、自分がいまひとつ学校の中で存在感がないことを自覚しているので、毎日「大好きだよ」という言葉をかかさないようにしている。もう中2だから「大好きだよ」と言っても「キモイ」と返されたりするが、別に構わない。親の愛だと思って厳しく育てても愛は伝わらないと思っている。行動で表現するのはもちろんだけど、きちんと言葉でも「大好き」と言葉で伝えないと、伝わらない。
とにかくこの繊細ちゃんを、成人するまでにある程度育成して世に出すためには、生暖かく見守って成長を待つしかないと思っていたが、鳥居さんのお話を聞いて、あながち方向性は間違っていないのかな、と思うことができた。
16歳あたりでスイッチが入るらしい
もうひとつ、手がかかりすぎる息子を育てるわたしが希望を持てたのが、脳の働きで、16歳くらいになると、子どもはある程度感情の管理ができるようになるらしい。
今はまだ、意味不明な難癖をつけてきたり、先日書いたようにワリカンの概念がなかったり、「この子本当にヤバイんじゃないか?」と不安になることもあるのだが、16歳あたりから少しずつ自覚みたいなものが出てくるのだろうか。
もちろん個人差はあるけど、こんど15歳になる息子。あと少しで大人スイッチが入って、面倒くささが減るのではないかとワクワクした。
今は14歳でも、やってるお世話は5歳からあまり変わっておらず、とにかくなだめすかして学校に行かせるなど原始的な方法で何とか乗り切っているので、なおさら未来が見えない。
息子の同級生は、小学校高学年あたりから徐々に思春期を迎えて、どんどん大人っぽくなっていってる姿を見ているだけに、まだ小学生の延長で、成長の芽もあまり見えない息子を見て、余計にうちの子大丈夫なのかなと焦るし、めちゃくちゃ手がかかるので、いつまで私は面倒を見ればいいのかと途方に暮れる瞬間もあるので、16歳ならあとちょっと頑張ればある程度ものがわかってくるのかなと思うと安心した。子育ての不安の大きな理由は「先が見えない不安」。少しでも将来の展望が見えると、なんとか頑張れる。
きっと個性的な子は、個性的な花を咲かせるのだろうと楽しみに育てる
きっとこういう気難しい子は、育て方が難しい分、うまく育てば珍しい花を咲かせるのだろう。
植物展で植物の面白さに目覚めた私がたとえるなら、ラフレシアとかショクダイオオコンニャクとか。
植物展が面白かった話はこちら。
別に息子に臭くなってもらいたいわけではないのだが、レア種というのはそれはそれで魅力がある。
わたしは育てて世話をする、という面では息子はとにかく面倒くさいやつだと思うが、ひとりの人間としてみたときに、とても面白い人物だなと思っている。
大人になって、対等に意見が交わせるようになったら、息子と親友みたいになれそうな気がしていて楽しみだ。
5.わたしだけじゃない、というのが一番の心の支えになる
今回の鳥居さんのお話会の参加者はオンラインで40名近くいらっしゃったようだ。
こういったお話会は、もちろん貴重な話が聞けるのもありがたいのだが、何より、同じような悩みや、同じ状況にいる人が集まってくることだ。
とにかく「ひとりじゃない」と思えることが、人を救うと思う。
わたしは息子が小さい時に、似たような状況の人がいなくて、孤軍奮闘した。旦那は「考えすぎだ」「多少厳しくしても育つ」と、わたしの心配をよそにのんびりしていて懸念を共有できなかった。
だから、とても孤独だった。
そんな時に、自分だけじゃないんだ、とわかると、とても心強い。
もしずっと前に、こんなお話会があって、同じような思いをしているのはわたしだけじゃないと知っていたら、あんなにノイローゼみたいになったり鬱にならなくて済んだのになと思う。
わたしはもう、ある程度息子が大きくなって、本当に大変な幼児期は過ぎ去ってしまったが、これから子育てをする人たちが救われるのであれば、もっともっとこういう概念を広めたほうがいいし、こういう会があればいいと思う。
わたしの影響力ないブログでも、発信することでも少し多くの人が新しい発見があるかもしれないし、役に立てばいいなと思う。
とにかくみんなが知った方が良いと思うことはお知らせしたい、おせっかい体質なので、またこの繊細ちゃんやスピリッツチャイルド等についても広めるためにお手伝いができることがあればやっていこうと思う。
そして、私が常に心を砕いている息子については、このままとにかく生暖かい目で引き続き見守っていこうと思う。
今日のお話会の場でも、このやり方はオススメの方法だと言われていたのでこれでこのままで良いのだと安心できたし、あとは息子がどんな花を咲かせるのか楽しみに、それでもあれこれ悩んだり笑ったり泣いたりしながら、息子との日々を過ごしていこうと思う。
今日は貴重なお話をしてくださった鳥居沙織さん、開催してくださった感性キッズさん、ありがとうございました!
うちの息子の育児エピソード、ご興味あればこちらから。
今日もお読みくださりありがとうございました!