
いろいろあるけど平和。な日常「海街diary」は是枝裕和監督に珍しい爽やかな作品
昔、「ポッキー4姉妹物語」
というCMが昔流れたことがあったが
この映画も美しい4姉妹の物語。
夏休みで息子がいると、
腹が減っただの、何かとこき使われるし
夏休みも終盤だというのに手つかずの宿題に
ヤキモキしたりで、
何も考えずのんびり、という日がなくなる。
なのでスキマ時間にはせめて
ゆったりした映画を観たい、と思って
久しぶりにamazonプライムで「海街diary」を観た。
神奈川県在住のこともあってか、鎌倉などは身近だし、劇中に出てくるスポーツ店は毎週行く藤沢にあったりで、なんだか親しみが持てる映画。
割と重めのテーマをぶち上げてくる是枝裕和監督作とは思えないほど静かで温かみのある映画で、出演も綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずと豪華キャスト。4人が鎌倉の古民家であれこれイザコザはあれど、仲良く暮らす姿が描かれる。
物語は、すでに生き別れて山形に住んでいた父が亡くなり、お葬式に参列するところから始まる。3姉妹は他の女性を作って出て行った父のお葬式に参加することで、腹違いの妹、すずに出会う。
なんと父は亡くなった際には3度目の結婚をしており、すずは連れ子として継母に育てられていた。それを不憫に思った3姉妹が、鎌倉で一緒に暮らさないかと持ち掛ける。
それぞれ家族にいろいろと事情はあれど、女だけでケンカしたり、支え合ったりしながら暮らしている。
自分が一人っ子できょうだいというものを知らず、わが息子も一人っ子で、こういう女同士の一つ屋根の下、というのが憧れるシチュエーションなのかもしれない。
そして鎌倉の古民家の雰囲気や、海での散歩など、なんとなくのんびりスローライフの気分を味わうことが出来るのもいい。
話の展開も重くなく、スピードもゆったりなので、なんとなく流し見してもついていける。
癒し系の映画として「めがね」も紹介したことがあったが、この南国系の「まぁ、いいじゃん」的なユルさとは違う、いろいろあるけど、頑張って生きていこうね。という、もう少し都会的な感じで、地に足もついてて、ちょうど今のようなあれこれ大変な世の中にはちょうどいいテンション。
賑わう鎌倉の花火大会だったりのシーンでも、今のようなウィルス騒ぎがなかった頃の静かで穏やかで楽しい暮らしを思い出す。
なんだか遠くに来てしまった、という感じで、いきなり始まった自粛生活で、マシになるかと思いきや、マシどころかさらに大変になって、ごちゃごちゃしている世の中に、割と敏感なわたしは、ときどきたまらない気持ちになってしまうのだが、そんなときにこういう映画を観て、今ここにある穏やかな時間も大事にしよう、と思い直す。
なんとなく日々のモヤモヤを抱えている人は、解決はしないかもしれないけど、わたしだけじゃないかも、と、ちょっとホッとできるような映画なので、ぜひ観てみてほしい。
今日もお読みくださりありがとうございました!