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なるべく栄養価の高い影響を受け取って生きていきたい。


私が高校演劇に情熱を注いでいたときに
部員みんなでラーメンズの「sweet 7」という
コメディー劇を観たことがあります

作中に出てくる
クセだらけの”ゴミ出しジャンケン”が
当時の高校生のツボにクリーンヒットして

そこから数週間ほど
部員のなかでそのネタが一世風靡したのを
今でも覚えています


ラーメンズのお二人はとにかく天才肌で
それを鼻にかけていないどころか
独自の世界観をとても大切にされていて

一口に芸人さんと呼んでしまうのも
俳優さんと呼ぶのも烏滸がましく

あえて肩書きをつけるならば
”表現者”と呼ぶのが一番相応しいのでしょう


現代においてはエンターテイナーと呼んだ方が
しっくりくるかもしれないけれど

ラーメンズにおいては
”表現者”という人間臭さがよく似合う気がします


ラーメンズのネタの醍醐味はなんといっても
ネタのワードチョイスの小気味良さ

そしてコントなのか演劇なのか
はたまた日常の一コマを見せられているのか
わからなくなるような自然な空気感と少しの不調和

昨今の芸人さんで例えるならば
シソンヌさんのようなコントの空気感
とでも言いましょうか

(シソンヌさんも大好きなんですよね・・・)


そんなラーメンズのお二人が繰り出すコントの中で
大好きなセリフがたくさんあるんですけど

その中から紹介したいものが一つあります


「パクリじゃない!影響を受けたんだ!!」

ラーメンズ「音遊」より


ラーメンズらしいトンチの効いた表現

まるでズル賢い小学生のようですよね


だけどこのセリフがとても胸に残ってるんです


私は良くも悪くも人に影響を受けてしまう人間で

だけど人とまったく同じ事をしたり
同じ物を身につけたりすることは

なぜかずっと悪いことのように思えて

クラスのお友達と同じキーホルダーを
意図せず買ってしまった時ですら
学校に付けていく事をためらったほどです


これはちょっと余談にはなりますが

物の共有だとかそういったものについて

「一口ちょうだい」「一口あげる」だとか
「お揃いにしない?」だとか

昔っから私発信でいうのが苦手なんです


わかってくださる方いますかね?


『いやいや・・・私の一口なんか欲しくないよね』

『私なんかとお揃いなんてイヤよね』

って思っちゃうんです


これって潔癖なのかな?
って思ったこともあるんですけど
たぶんそうじゃないんですよね


きっと学生時代のトラウマの一端なのです


学生の頃って
「同じ」であることの境界線がかなり難解で
私はそこにかなり気を遣って生きていました


修学旅行でお揃いのキーホルダーなんて買っちゃって
「うちらニコイチ!」「ズッ友!」なんて言いながら
スクールバッグに付けて仲良しアピールするくせに

「真似しないでよ!」
って急に冷たく突き放されたりするんですよ


いや〜ワードチョイスで世代バレるな・・・


2000年代に青春を謳歌した皆さまは
懐かしさに衝撃が走っていらっしゃるでしょう


大人になった今でも
そういった「同じ」の境界線って難しくて

とくに今の時代は
組織よりも個人の方が重視される時代で

多くの情報に溢れる社会のなかで
人間性や、オリジナリティー、
その知名度がものを言うようになってきました


だからこそ
あの頃よりも遥かに「同じ」の境界線が
難しくなっている気もします


だけどあの頃の私と少しだけ違うのは

「パクリ」じゃなく
「影響を受ける」に意識が変わったこと


この違いってよく似ているように見えて
実は全く別物なんです


大きな違いは
自分の思考回路の中をすべて巡ったうえで
「同じ」を選んでいるかどうか


なんとまぁ変な言い回し・・・


きっとラーメンズに影響を受けてしまったのでしょう


つまりは


「あの子が持ってるキーホルダー可愛い!」

「真似しちゃおっ!」

ではなく

「いや待て、なんで欲しいんだ?それ必要か?」


と自分の心と身体に考えを巡らせるんです


そのまま受け取るなら容易いことなんですけど

今の時代において
それをしてしまっては惜しい気がして

それはまるで
和食を一口ずつ大切に味わうんじゃなく
味の濃いハンバーガーにかぶり付くようなもの


パクってしまえば欲求は満たされるけど
そこまでなんですよね

影響を受けるというのはもう一つ先の思考なんです


あ・・・こいつめんどくさっ!って思いました?

私もそう思ったのでそのまま書いてます
(けどなにか?)


「それ良い!」
と思ったことを一度ぐるっと見渡して

自分にとって美味しいと思える部分はどこなのか
必要な栄養素はどこなのか

そこを少しずつ摂取することで
自分が歩んで行きたい道が
広がっていくような気がするのです


そもそも自己流なんて
ゼロから生まれるわけないのですから
まずは片意地を張らずに正々堂々と

「パクリじゃない!影響を受けたんだ!!」

と言える人間でありたいものです






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花崎由佳(はなさきゆか)

『ココロに灯りを、人生に彩りを』をモットーに
私が撮影した写真と、エッセイやコラム、
ラジオ配信をお届けしていますஐ.*+


普段はこんなお話を書いてます





stand.fmにて週一回ラジオ配信中..:*

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花崎由佳
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