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生きるを励ますアート
本屋さんで友達からの連絡を待っている時に立ち読みして、買ってしまった初めての臨床美術本。
これを読むまではアートセラピーは人の心を絵で解読するもの。だと思っていた。心の赴くままに絵を描く。そういう事は誰でも簡単に出来るし、誰にでも教える事が出来るじゃないか!と思ってしまったり…でも、本を読んでいくうちに心のケアをしつつアートの力によって解放されるものの大切さが分かってきた。
ストレスや辛くてどうしようも出来ないことがあった時、私は自然と絵を描いたり物を作ったりしている。ただ、その行為によって一瞬でも忘れて違う場所にいける気がするから。それは私にとって普通のことだったので、何も意識せずアートの力によって心の解放をしていたんだ!と本を読んで感じた。
ちゃんと見たまま描かないといけない!絵を描くのにハードルがあるのはなんとなく分かる。私も絵を描くのは苦手。だけど、色で遊ぶのは好き。自由に好きな色で線を描いていくだけでも発見がある。線だけなのに何かに見えてきたり、形がうまれて面白くなる。デッサンとかでよく言われる、点・線・面の感覚で画面を構成するだけで良いと思う。描くという行為に集中するとどんどん表現が楽しくなっていく。
また、この本の中にはアートの仕事についても書いてあった。
アートで食べていく事はとても難しい。だけど、この臨床美術やアートセラピーのような人に向けてアートの楽しさや重要性を伝える考える仕事がある。自分の絵や作った物を販売して生きていくには才能というものに囚われてしまう。上手く出来なくても良い、アートの楽しさとそれによって解放される自己表現の大切さを感じながら、困っている人を助けるお手伝いが出来る仕事はアートを生業にしたい人にとっては完璧な職業だと思う。その分、心理学など難しい知識も必要にはなるけれど…
アートを通して人と関わる事が出来たと思っている私は、これからもずっと何かしら絵を描いたりしていくだろう。
生きる事に疲れたら、ペンと紙があれば1本線を引いて見て欲しい。そこから、自分がどうしたいのかどんどん見えてくる気がするから。
優しい気持ちを色で表現するだけで、ギスギスした心が溶けていくかも。
自分だけはどんな自分も認めて、心のままに動いてみたら良いのかも。なんとなく読んだ後にホッとする心に寄り添う一冊。