【鑑賞記録】DIC川村記念美術館
こんにちは。Yukaです。
久しぶりの投稿はDIC川村記念美術館の訪問記です。広大な庭園があり一度は行きたい美術館でしたが、この度残念ながら休館が発表されてしまったので、東京出張のついでに1泊して行ってみることにしました。
ゲートをくぐると、白鳥が泳ぐ池と青々とした芝生が目の前に広がります。大きな庭園の脇に佇む小さなお城のような建物が美術館。ステンドグラスから漏れる柔らかな光がエントランスを包み込んでいました。
マルク・シャガール《ダヴィデ王の夢》
色彩の魔術師と呼ばれたシャガールの作品。赤や黄、青、紫などたくさんの色が使われていながら不思議と調和がとれています。チューブから出した絵の具をそのまま使っているかのような鮮やかさですが、色が混ざり合った部分も濁らず美しく見えました。さすが色彩の魔術師。ビビッドな色あいながらも柔らかくメルヘンな印象も受けました。
マン・レイ《だまし卵》
黒塗りの便座から卵の写真が覗く作品。さて、便器といえばデュシャンの《泉》が思い浮かびます。先日、金沢21世紀美術館に行った時にもトイレをモチーフにした作品が展示されていましたが、現代アートと便器は切っても切れない関係なのでしょうか……
ハンス・シュタインブレンナー《人物》
黒い直方体を3つ積み重ねた作品。マインクラフトに出てくる人間のようにも見えますが、あちらは表情もあり服も着ているのに対して、こちらは真っ黒で顔のパーツすらありません。人間を極限にまで単純化するとこうなるらしいのですが、真っ黒な箱に《人物》とタイトルを付けた途端、しっかり人間に見えてしまうのですから不思議なものです。
最後に
印刷インキのメーカーが経営しているだけあって、色づかいが印象的な作品が多数展示されていました。作品鑑賞後は庭園を散策するつもりだったのですが、天気はあいにくの雨。そして、帰りのバスまで残り15分しかありませんでした。庭園で何枚か写真を撮り、後ろ髪を引かれる思いでバス乗り場に向かいます。庭園を含む美術館全体が一つの作品になっているようで、最初から最後までとても素敵な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。