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ウヴァ・フラゴーラ(苺ブドウ)とアジロンダック
Uva fragola、日本語で苺ブドウと言う意味のこの葡萄の名は、その特徴的な香りを表している。特に生のフレッシュな状態は苺っぽい香りがするそうだ。別名はウヴァ・アメリカーナ(=アメリカブドウ)と言い、どうもアメリカから持ち込まれた品種らしい。
イタリア北東のフリウリ地方では、このブドウでワインを作ったりジャムを作ったり、そのまま食べたりもするそうだ。
フリウーリ人の家で、このブドウを使った自家製ワインを出していただいた。この辺りではよくみかける品種だが、イタリアの他の地域では殆ど作られていないとのことだった。
自家製なのもあるだろう、少し酒精が強くなっている。黒っぽいけれどルビーのような明るい透明感があり、独特な色みだ。ボディはごく軽いがアルコール感があるので水っぽくは感じない。
ひとくち含むとグラスから立ち上っていた果実の香りがそのまま口の中に転がり込んできた。"黒い果実"や"赤いベリー"と評されるのがよくわかる、ころころと転がるような鮮やかな香りに、軽い舌ざわり。やわらかな酸味にタンニンも優しい。少しスパイスの香りもある。
翌朝にはジャムも食べさせて貰った。葡萄だけでなく他の果実も入っているのではないかと思わせる風味、色はワインと同じで美味しかった。
実はこのワインによく似たものが日本にもある。アジロンダックという品種で、山梨のワイナリーが少しだけ作っている。フリウーリ人が来日した際にたまたま飲んだのだが、「これはuva fragolaだ!」と大変驚いていた。
少し調べたらこちらもアメリカからの品種とのことで、恐らく近縁種なのだろう。
原茂ワインのアジロンダック、母が買って飲みそびれ数年寝かせていたものだった。気になる方は是非お試しを。