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中世の館

ルネッサンスで有名なフィレンツェですが、中世の素晴らしい遺産もあります。



おもてなしの間

ダヴァンツァーティ宮殿。共和国広場から歩いて5分足らずのところにある小さな博物館です。途中手を加えられたことはあっても、建築された1300年代の裕福な商人の生活風景がよく再現されています。



カッサパンカという衣装箪笥

プリミティブながら華やかさや開放感を持たせるために描かれた壁の装飾、所々を静かに飾る彫刻、宗教画、生活日用品などが、彼らの日常を感じさせるように残されています。


バスルーム

壁一面に描かれたお伽の世界から出てきたような小鳥や動物、庭の風景、寝室の教訓画など見ると、小さい頃に読んだ海の向こうの物語の世界に入ったような気持ちになれます。

盛期ルネッサンス以降の様々な嗜好品で飾った館も見応えがありますが、私は中世の素朴な邸宅も好きです。


それだけでなく、安全性や実用性もかなり考慮されています。

プライバシーがないと言われていた中世でありながら、商売用の空間と迎賓の間、プライベート空間をきっちり分けており、更に外敵がやって来た時のために攻撃手段も設けてあります。


玄関の真上にある攻撃穴。ここから熱々の油などを落とした。

一階は商取引の場。二階のホールはおもてなしの間、三階はプライベート空間、最上階は台所です。

一番上の階に台所を設けていたのは匂いと火事対策です。上の階が燃えたなら下に降りれば助かったからです。


台所

他にも見ごたえのある品々でいっぱい。1300年代にタイムスリップしたような気持ちを味わえる美術館です。あまり人が押し寄せないので、結構穴場です。


今日は概要を。もう少し掘り下げた内容は後日綴ります。

美術館の住所、オープン時間は下記の通りですが、偶にストライキなどで時間が変更することもあります。

Palazzo Davanzati

📪Via Porta Rossa, 13
🕘火曜から木曜は8時15分から13時50分
金曜、土曜と第二、第四日曜は13:15-18:50

月曜休み

共和国広場から徒歩5分ほど。


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フィレンツェ歩き ここだけの話
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