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8日のお祭りのついでに
フィレンツェ在住、フィレンツェ、シエナ県、公認ガイドの佐藤由佳です。
先日8日はマリア様のお母さんアンナが身籠った日だったので、今日は彼女の娘が身籠った時の作品を。
フラ・アンジェリコ 「受胎告知」 1450年頃 サン・マルコ寺院美術館
絵本の中に出てくるような一枚。淡い桃色を基調とした優しい色合いと、筆使い、お人形さんのような人物たち。こちらに静かに物語を語りかけてくるようでいて、マリア様が神の子を身籠った事実を恭しく受け止める大切な場面です。静寂の中に漂う緊張感と建物の石や背景の森のひんやりとした空気も伝わってくるようです。
フラ・アンジェリコはドメニコ会の僧だったので、修行の一環として宗教画を手掛けていました。教義上、聖人たちは人間とは違うので平面的に現さないといけなかったのですが、時は既にルネッサンス。マザッチョのような合理的な表現とまで行かなくても、アンジェリコは建物を奥行き感を持って描き、宗教画に新しい風を吹き込んでいます。
このフレスコ画はサン・マルコ寺院美術館の2階に上がった所で私達を迎えてくれます。私が大学生だった時、旅行中に初めて実物を見た時は衝撃でした。階段を上がって目を上げたらこの作品があって、何とも言えない静けさに心が包まれた事を覚えています。
美術館にいらした時の参考になさってみて下さい。
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