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2000年前、理想の女性と結ばれるために

生成AIで作り上げた3次元もしくは2次元の女性と並ぶ男性のツイートを見かけて、思い出したのはポントルモの作品でした。


ポントルモ 「ピグマリオンとガラテア」 1529−30年頃 ウフィツィ美術館


この作品は、初期帝政ローマの時代(紀元前1世紀)に生きたオウィディウスという詩人の「変身物語」に出てくる行を表しています。


ピグマリオン


左手に立つ女性に跪く若い男性。

彼はピグマリオンというキプロスの王もしくは、市民だったと言われます。


ブロンズィーノの作品では、ピグマリオンを彫刻家として表しています。彼の服装や膝下、テーブルの上にある道具から読み取れます。


ピグマリオンは裸の女性像を制作していました。完成に近づくにつれ、白く滑らかな肌と美しい姿に魅せられ、恋に落ちます。


そこでピグマリオンは、美の女神アフロディーテに彫刻像を人間にしてもらおうと考えます。祭壇で雄牛を生贄に捧げて祈ったところ、アフロディーテは彼の願いを聞き入れ、二人は結婚します。パフォという名の娘も授かり、幸せに暮らしたそうです。


雄牛の生贄と命を吹き込まれるガラテア
ガラテアは本来海の妖精の名であり、彫刻の制作当時は別の名前だったという。この名で呼ばれるようになったのは18世紀以降。


このテーマはラファエッロの様な盛期ルネサンスより、マニエリスムのほうがしっくりくる内容だと思います。錬金術の様な限界を超えて未知の可能性を追求する学問が流行った時代ならではです。それにマニエリスムならではの、艶めかしい女性の描写もぴったりです。



ピグマリオンの話の結末と生成AIのそれは違いますけど、2000年以上経た現在でも人間が理想のパートナーを求め感情の繋がりを求める姿は変わらないと思いました。



この作品はウフィツィ美術館の二階、展示後半にあります。

美術館にいらした時の参考になさってみてください。


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