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イタリア発クリスマスの飾り

イタリアのクリスマスの飾り付けと言えば、プレセピオ。ツリーと同じく、12月8日から展示されます。
イエスが生まれたとされる馬小屋にイエスを中心にご両親のヨセフとマリア、羊、羊飼い、ロバ、牛、天使などの人形が表されます。


真ん中のベッドには25日にイエスの人形が置かれる


名前はラテン語の「praesaepe」(飼い葉桶)から来ています。まさにイエスが地上に降臨した場所です。
別の説では「praesepire」(囲む)に由来するとも。プレセピオは、神の子を質素な場面に表すことで、一般の人へ親しみやすさを示すものです。



プレセピオは1223年、アッシジの聖フランチェスコがグレッチョという町に作りました。最初のプレセピオには、藁を敷いた飼い葉桶と牛とロバだけが置かれました。
フランチェスコは文字が読めない人に聖書の内容を伝えるために聖書劇も行っていたので、同じ時期にプレセピオが生まれたのも偶然ではないと思います。



クリスマス前はイエス以外の登場人物のみ置かれます。彼の人形は降誕日の25日0時に置かれます。



1月6日の公現祭が近づくと、三王マギの人形が追加されます。
イエスが生まれた時、夜空で強く輝く星を見た彼らは救世主が生まれた事を知り、贈り物を持って駆けつけたと言われる日です。



ミニチュア版から等身大までプレセピオは様々。いずれも職人の手による芸術作品です。



先日からフィレンツェでは、サンタ・クローチェ教会で現代作家のプレセピオが展示され始めました。伝統に一捻りを加えて、臨月を迎えたマリア様、イエスを抱きかかえるヨセフなど、身近に感じられるプレセピオもありました。


ドール・ハウスの様なプレセピオ
臨月を迎えたマリアと付き添うヨセフ
イエスを膝に抱くヨセフ
イエスの足をくすぐるヨセフ


プレセピオを作ったフランチェスコの試みが、今でも生きているようです。

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