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夏の星座を通して見る、フィレンツェの作品 1

最近イタリアもすっかり暑くなり、街によっては40度近くにまで気温が上がる日が続いています。私が住むフィレンツェも湿気のために体感温度36度。うだる様な暑さが続いています。
何か清涼感あふれる話題をと思い、暫くは夏の星座にまつわる作品を取り上げようと思います。

今日は白鳥座から。夏の大三角を成す星座の一つです。

この白鳥はゼウスが見初めた人間の女性に近づくために変身した姿です。

昔々、古代ギリシャのスパルタという国に、美しいとの誉れが高い王妃レダがいました。彼女の夫スパルタ王テュンダレオスが遠征で留守にしていたある日、レダは泉で水浴びをしていました。

その様子を見たゼウスは彼女に魅了され、口説き落とすために一計を案じます。警戒されないために真っ白く美しい白鳥に姿を変え、近づくのです。

一説によると、鷲に扮したアフロディーテに襲われるふりをして、匿ってもらうためにレダに近づいたともいいます。

そんな彼の目論見を知らないレダは白鳥を優しく抱き寄せ、ゼウスは彼女と交わります。


バルトロメオ・アンマンマーティ 「レダと白鳥」 1535-40年頃 バルジェッロ美術館

その晩、帰還した夫とも彼女は交わり、両者との間に双子をもうけます。レダは2つの卵を産み、ゼウスとの間には妹弟ヘレネとポルックス、夫との間には姉兄クリュタイムネストラとカストルが生まれます。


フランチェスコ・メルツィ 「レダと白鳥」 1505-7年 ウフィツィ美術館

この、レダとの逢瀬の為にゼウスが変身した白鳥の姿が、夜空を彩る白鳥座となったのでした。

ゼウスは神々の頂点に立つ全知全能にして戦闘力もある神です。英雄色を好むとはよく言ったもので、彼は女神、人間問わず、気に入った女性は必ず口説き落とし、子をもうけました。

今回取り上げた2点の作品は、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチの影響を受けています。そのため巨匠たちの側に展示されているので、比べてみるのも面白いです。

フィレンツェにいらっしゃる時の参考になさってみて下さい。

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