生後すぐに命を狙われたイエスは
イタリアはまだクリスマス期間中。年を越して後半に入りました。数日前のブログで「嬰児虐殺」の話をご紹介しました。新たな王が生まれると聞かされたユダヤのヘロデ王は、2才以下の子供を虐殺する様に命じます。
危険から逃れるためにイエス一家が目指したのはエジプトでした。父ヨセフの夢に現れた天使がエジプトに避難し、ヘロデ王が世を去るまで滞在するように命じたからです。
真夜中、夢から覚めたヨセフはイエスとマリアを連れ、旅立ったのでした。
その旅の途中のしばしの休息を描いたと言われる作品がこちら。
アンドレア・デル・サルト 「袋の聖母」 1525年 サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会 死者の中庭
優雅に座るマリア様は膝にイエスを乗せながら、下から見上げる私達の方を見ています。対してイエスの父ヨセフは荷物の袋にもたれかかりながら読書中です。彼が寄りかかる大きな袋から「袋の聖母」と呼ばれています。
まるで日曜の午後の一コマのような雰囲気。時が止まったように落ち着いています。鮮やかながらも優しいい色使いも素晴らしいです。
この壁画があるサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会は大聖堂のすぐ側にありながら、あまり賑わわない教会です。装飾も素晴らしく無料なのに。
この作品がある中庭はあまり公開されてこなかったのですが、去年から毎週月曜の朝9時半から12時半に、ボランティアの方たちのお陰で公開されるようになりました。
月曜は多くの美術館がお休みなので、効率よく色々ご覧になりたい方にいいと思います。
フィレンツェ散策の際の参考になさってみて下さい。
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