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1on1ミーティングの現状と課題に関する考察について。

1on1ミーティングとは、なんでしょうか。

1on1を広めるきっかけとなった『ヤフーの1on1』著者の本間浩輔さんは、1on1についてこう述べています。

「上司と部下との間で行う1対1の対話のこと」
「1on1には、経験学習、フィードバック、コーチングという人材育成のあらゆる手法が関係している」(本間 2017)。

1on1とは、上司と部下の会話でも議論でもなく、対話であること。
そして、1on1には、経験学習、フィードバック、コーチングというあらゆる手法が関係しているということ。

1on1の現状と課題はどうなっているのか。今回は、以下の論文を参考にまとめていきます。

参考論文:1on1ミーティングの現状と課題に関する一考察-国内大手メーカーA社の事例研究/岸野早希さん、平野光俊さん


研究の目的

近年日本企業で導入が進む1on1ミーティングに焦点を当て、その実施・定着状況や課題を探索的に明らかにすること。

調査方法と分析方法

国内大手メーカーA社の管理職9名を対象にインタビュー調査を実施し、1on1の実施状況や定着に関する現状と課題を分析。インタビューデータの分析には質的データ分析手 法のSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用い た。

考察

1on1の実施状況のばらつき
管理職の中には、1on1を積極的に実施している者、形式的に行っている者、全く実施していない者など、実施状況にばらつきが見られた。

未実施の要因
一部の管理職は、既存のマネジメント手法で1on1と同様の効果が得られていると認識しており、1on1の必要性を感じていないことが明らかになった。職場の状況や業務量などの環境要因も、1on1の未実施の要因として挙げられた。

定着に向けた要因
部下のキャリアステージに応じた1on1の展開方法の工夫が必要である。管理職の時間的リソースの不足が、1on1の継続的な実施の障害となっていることが指摘された。

論文では、1on1ミーティングの実施・定着には、管理職の認識や職場環境、時間的リソースなどが大きく影響することを明らかにしました。これらの課題を解決するためには、1on1の効果的な実施方法の共有や、管理職の負担軽減策の検討、人事セクション等の1on1の牽引役による1on1未実施の管理職に対する介入の必要性を述べています。

そもそも、なぜ1on1をする必要があるのか?という認識を上司も部下も持つこと、施策の計画者と実施者が共通認識を持つこと等のすり合わせはとても重要だと思います。会社がやれと言っているからやる、目的を理解せずにとりあえずやるだと形骸化していってしまいますよね….

論文自体、分析のプロセスから結果からとても学びが多かったので、興味を持った方はぜひ、読んでみてください!

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