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餃子定食マーケティングのジレンマ

餃子定食マーケティング

中華料理屋さんで夕飯を食べた。
私は八宝菜定食セットと餃子を食べた。とてつもなく美味しくて感動した。

そこで、気になったことが一つ。このお店のマーケテイング戦略だ。
このお店の目玉はどう考えても「手作り餃子」なんだろうけど、「餃子定食セット」を作らないあたり、賢いマーケティング戦略だと思った。
もし「餃子定食セット」があったら、多くの客はそれを頼んで終わりだろう。
でも「餃子定食セット」はない。でも餃子は食べたい・・。だから客は皆、他の定食セットを頼んだうえで、餃子も頼んでいた。

正直、客側の意見としては、他の定食セットを食べたうえで餃子を食べるのは量が多すぎたので、「餃子定食セット」を作ってほしい。
でも、店側としては、餃子定食セットがあるのとないのでは売上がかなり違うであろうから、餃子定食セットを作らない方が良いのだろう。

「お客様に喜んでもらうこと」と「利益を上げること」の両立

今まで私はなんとなく「お客様の要望(=改善点)にはできるだけ応えた方が、利益は上がるのではないか」と思っていたけど、そんなことないんだな。ビジネスでは、お客様の要望に何でもかんでも素直に応えることが良いこととは限らないんだなあ。「お金とは対価だから、お金を儲けるほどお客様の役に立ったということになる」と聞いたことがあるけど、一概にそんなこともないのだなと思った。「お客様に喜んでもらうこと」と「利益を上げること」の両立は難しいものなんだなあ。会社だから「できるだけ利益を上げること」が正義ではあるものな。両者を天秤にかけたら、利益を優先して当然か。

でもなあ。私は「多少自己犠牲をしてでも、相手にとって一番望ましいことをしてあげたい・相手に最大限喜んでもらいたい」と思っている。今はまだ大学生なので、自分のその信念のままに行動できているけれど、社会人になったら「自社の利益」を考えないといけないから、純粋に相手の喜ぶことをやるわけにいかないのか。複雑・・。

そもそも、会社の存在意義

いや。でもこう考えてみよう。会社とはそもそも、誰かの役に立つため・誰かを喜ばせるために作られている。しかし、利益が上がらないと、会社は存続できない。ならば、利益が上がらなくて会社が潰れることになると、誰かを喜ばすことが「何も」できなくなってしまう。
そう考えると、会社が潰れて誰にも幸せを与えることができなくなるよりは、会社が存続して、誰かのために幸せを少しでも与えられた方が価値は高いな。例えば、今回の中華料理屋さんの例で言うと、「お店が潰れてしまって餃子が食べられなくなること」よりは、「多少客側が不便な思いをしてもいいから、美味しい餃子を食べられること」の方がよほど価値は高いな。
お客様を100喜ばせようとして会社が存続の危機に瀕するくらいなら、お客様を60喜ばせながら会社が存続すること(そのためには利益を上げることが必要)を優先すべき、と考えても納得がいくな。

餃子の件からビジネスの世界を垣間見て、良心(相手の利益を考えてのこと)とビジネス(自社の利益を考えてのこと)のジレンマに考えを巡らせた夜だった。

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