戦前から続く小田原系ラーメンの始祖「味の大西」の家系図。現在のフラグシップは、親族&元祖の味を引き継ぐ「真鶴支店」
味の大西とは
大西の名前はあれど、「味の」を付けられる、その店名は、親族しか名乗れない、小田原系ラーメン【直系】の証である。
神奈川県西部の一部でしか話題に出ず、知る人ぞ知るソウルフード小田原系ラーメンの始祖「味の大西」。
そのラーメンの特徴をざっくりいうと以下の3つ
1 濃い醤油スープ
元肉屋の特性を生かした甘めでさっぱりとした香ばしい澄んだ豚骨醤油
2 特徴ある具材
細長く巻かれたワンタン、分厚いチャーシュー、甘くて味の濃いメンマ、そして後味をさわやかにする三つ葉
3 平打ち縮れ麺
どんぶり表面を覆う油膜。 もちもちっとした食感の平打ち縮れ麺。主に湯河原町の室伏製麺所を使用。
現存する「味の大西」は5店舗のみ(2020年12月時点)
そんな、ローカルフードを新参者が以下の3パターンでまとめてみた。
① 直系
湯河原店、小田原店、真鶴店、新松田店、高麗店
② のれん分け
国味ラーメン、三憩園
③ インスパイア店
むら田、いしとみ、しら鳥ほか
初代から始まり、孫の代まで続く系譜。親族が「味の大西」を継承している。閉店してる店が、めちゃんこ多い。
1930年あたりからはじまる「味の大西」の歴史を引き継ぐ店舗は、夫婦2人で経営している支店が多く、歴史と共に閉店してゆく店も多いようだ。
それゆえに、代替わりのゴタゴタで、代によって味が変わる、日によって味が変わるということもあり、それはそれで歴史の深さを感じられる一杯。
小田原系ラーメンの有名店として、よく挙がってくる「むら田」と「いしとみ」と「しら鳥」の3店舗。ここは「むら田」を祖とする姉妹店だが、こちらは、「味の大西」とは無関係であることが判明。(店員さんより)
「むら田」は、ワンタン麵じゃない時にレンゲをください。と、お願いすると大変なことになる。といったことをネット記事で拝見したが、ぜひ一度行ってみたいお店である。
現在のフラグシップは
【味の大西 真鶴支店】
その中で、今回訪れたのは、現役最強と呼び声高い「味の大西 真鶴支店」
小田原生まれで、親子2代、半世紀に渡り、足繫く通ってきた高田氏によると、
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真鶴は、最近、昔からの味を引き継ぐ厨房の親父さんが死んじゃった。そのあとに、息子さんが継いで開いたお店にみんなが供養で来てた。半年後、お客さんは、みんな来なくなった。
なぜかって?
ワンタンに生姜もニンニクもない。あとニラも。なんもねぇのよ。それが2年前。
美味くなかったんだよね。
その時、俺が今の店主に言ったのよ。
「自分のお父さん(真鶴店元店主)のレシピは、もう無いかもしれないけど、どんなラーメンを食べさせてもらってたか、思い出してごらんよ」
(真鶴店 先代のラーメン)
それで今。朝から行列ができている。
みんな、この味を求めてきてるんだよね。ここは、いろんなお客さんに育ててもらって、イマがあるんだよ。
味の深みが違うんだよねぇ・・・
(タバコを吸いながら、たそがれる高田氏)
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小田原系ラーメン全体として、家系ラーメンに比べると、1/10000くらいの知名度ではあるが、奥深き歴史の世界。
既存の大西やインスパイア店には、存在するうちに行きたいので、誰か連れてって~(車が無い)
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