『MESSAGE to the past』 答えと隠しエンディングと制作裏話
『MESSAGE to the past』 について
Unity1週間ゲームジャムお題「おくる」にて、未知の言語で過去の自分にメッセージを送るゲーム『MESSAGE to the past』 を作りました。
以前作った『THANKS CALL』というゲームの続編を意識して作ったのですが、その時noteに書いた裏話が好評だったので、今回も答えの公開や「どういう意図でゲームデザインしたか」などの裏話を書き綴ってみようと思います。
以降は『MESSAGE to the past』の答えやネタバレを含みます。10〜20分程度で遊べるので、未プレイの方は是非一度遊んでから読んでいただけるとより楽しめるかと思います!
未知の言語の答え
今回のゲーム内に出てきた未知の言語について、まずは対応表を公開します。
基本的にはローマ字表記と同じで、「母音単体」または「子音+母音」で表記する
「濁音」「半濁音」「幼音」は対象の文字の直前に入力する
「ん」は「n」を2回入力する
上記規則に則らず、日本語に変換できない文字は「■」に変換される
このゲームは「じこにちゅうい」というメッセージを送ることが目的なので、以下のように入力することが正解でした。
隠しエンディング
1つだけ隠しエンディングも用意していました。
「じこにちゅうい」というメッセージを送ると通常エンディングとなりますが、「ありがとう」というメッセージを送ると隠しエンディングとなります。
ヒントとしては通常エンディングの画面に未知の言語で「ありがとう」と表示されており、これをそのまま入力することで隠しエンディングに辿り着くことができます。(もちろん「最後までプレイしてくれてありがとう」という意味も込めています。プレイいただいた方ありがとうございます!)
また前作『THANKS CALL』は「感謝を伝える」をテーマにしたゲームだったので、その続編ということも一応ヒントというか繋がりとしてあります。
ゲームデザインの話
ゲームデザインについて、作る際に考えていたことを書き綴ってみます。
プレイヤーにさせたい体験について
今回のゲームでプレイヤーにさせたかった体験は「試行を繰り返すことで文字や法則を徐々に特定していき、未知の言語を扱えるようになる」ことです。
これを軸としてゲームデザインを考えました。
メモ機能と履歴機能について
このゲームではメモ機能、履歴機能があります。(特にメモ機能は操作説明を見ないと気づきにくかったので、ゲーム内でも初回に説明が出るように最近修正しました)
ゲームとしてはメモ機能と履歴機能は必須の機能ではありません。ただ、「文字や法則を暗記する」体験はメインではないので、余計なタスクが生まれないように覚えていなくても良い仕組みにしました。
未知の言語の表記法則について
未知の言語の表記法則については、以下のような理想がありました。
試行を繰り返してほしいものの、作業のような無駄な試行は減らしたい
→文字種が増えるほど無駄に試行回数が増えてしまうので、できるだけ少ない文字種で表現したい徐々に文字や法則を特定してほしいので、瞬殺されたくない
→気づくべき法則が複数あると良い最初にとっかかりがあると良い
例えばひらがなに対応させると五十音+濁音半濁音幼音という膨大な数のボタンが必要になってしまいます。アルファベットでも26文字必要です。
一方でローマ字表記であれば母音5種類+子音十数種類だけで済みます。さらに、母音のボタンは押すと必ず日本語に変換されるので、適当にボタンを押したとしてもとっかかりが作れます。
また以下のようなメリットがあるため、濁音半濁音幼音は専用のボタンにしました。
「g」「z」「d」「b」「p」の5種類を「濁音」「半濁音」の2種類に減らせる
「濁音半濁音幼音は直前に入力する」という法則を追加でき、クリアまでのステップを一段階増やせる
ちなみに日本語の感覚では「じ」を入力したい時、「し」を入力してから「濁音」を入力するのが直感的なので、逆に「濁音」を入力してから「し」を入力する法則にすることでステップを一段階増やしたいという狙いもあります。
答えのメッセージについて
答えのメッセージ「じこにちゅうい」は以下の要件をもとに考えました。
未知の言語について主な法則がひと通り分かってなければ解けないこと
あまり長文でないこと
ストーリーに合っていること
「じこにちゅうい」を入力するには、母音の入力方法、子音+母音の入力方法、濁音の入力方法、幼音の入力方法を理解している必要があります。
文字の形とキー配列について
未知の言語の文字の形については、
特定前には、文字の形から対応する文字を推測することは難しい
特定後には、対応する文字を文字の形と紐付けて覚えやすい
ということを理想として作りました。
「文字の形から推測する」体験ではなく「試行した結果扱えるようになる」体験をさせたいためです。
特定前に「この形はKっぽいからおそらくKだろう」とはできる限りなってほしくないですが、特定後は「なんとなく形がKっぽいから覚えやすい」となってほしい、というのを目指しました。
メモ機能は用意していますが、ある程度直感的に読めるようになるとストレスなく遊べるはずという考えです。未知の言語を扱えている感も感じやすいと思います。
地味に「u」「o」の形も子音と同様に紐付けやすい形になっています。
キー配列についても、覚えやすいように「母音」「子音」「特殊文字」でまとめて配置しました。
母音は使う回数が多いので、毎回頭を使わなくて良いように順番に並べてあります。
逆に子音に関しては規則性なくバラバラに配置しています。規則的に並べてしまうとその規則が分かった段階で試行を繰り返す必要がなくなるためです。今回このゲームでさせたい体験は「キー配列から推測する」のではなく「試行を繰り返して文字を特定する」だったので、子音はバラバラに配置しました。
クリア後に好きな文章を入力したいと思ったとき、いつの間にかパッと打てるようになっていたり、クリア画面のありがとうというメッセージがいつの間にかメモなしでも読めるようになっていたら嬉しいです。(ただこの手のゲームは作者が未プレイの感覚をイメージしづらいので、結構勘で難易度調整しました…)
想定している解法について
ここまで書いたゲームデザインも踏まえて、想定している解法も書いておきます。
もちろんクリアまでの道筋は人それぞれなのですが、大まかにこのような道筋でクリアまで辿り着いてもらえれば良い体験になりそうと考えていたものです。
適当に入力してみる。その中に母音が含まれており母音の存在に気づく(ローマ字表記っぽいと気づく)
母音以外の文字と母音の組み合わせを試してみて、子音を特定する
濁音半濁音幼音ボタンの存在に気づく
濁音半濁音幼音は直前に入力すると気づく
ちなみにプレイいただいた数人に聞いてみたところ、クリアまでの試行回数は平均10回程度かなあという感じでした。
「できる限り少ない試行回数でクリアしたい人」「とりあえず試行を繰り返して情報を集めたい人」のどちらのタイプかで試行回数は大きく変わりそうです。
最後に
今回ゲームを作るにあたり、
させたい体験をまず明確にし、その体験を阻害するorその体験に必要ない要素は削ぎ落とすこと
理想をもとにデザインに落とし込むこと
想定する解法(上手いプレイ)が何かを意識すること
の重要性を改めて意識しました。
プレイしていただいた方、ありがとうございました!