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ブランコ乗りのサン=テグジュペリ



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『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』
(角川文庫『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』改稿改題)
『今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』
(カクヨム連載『サーカス団長シェイクスピア』改稿改題)

昨年、リメイク版と続編?補完?にあたる文庫が出たんだよね。



あらすじ

20世紀末に突如都市部を襲った天災から数十年後、震災復興のため首都湾岸地域に誘致された大規模なカジノ特区に、客寄せで作られたサーカス団。花形である演目を任されるのは、曲芸学校をトップで卒業したエリートのみ。
あまたの少女達の憧れと挫折の果てに、選ばれた人間だけで舞台へと躍り出る、少女サーカス。天才ブランコ乗りである双子の姉・涙海の身代わりに舞台に立つ少女、愛涙。周囲からの嫉妬と羨望、そして重圧の渦に囚われる彼女を、一人の男が変える。

「わたし達は、花の命。今だけを、美しくあればいい」。

紀伊国屋書店ウェブストア


感想

涙海と愛涙、只でさえ不思議な世界観なのに数奇な運命だな、と。
涙雨はサーカスでブランコ乗りになりたくてしょうがなかったのに、才能は双子の愛涙の方があったなんてな、酷だよな。
養成学校にも通わずに、そこへ通う涙雨の練習に付きあえてしまうなんて才能以外の何物でもないよな。
そして、入れ替わりもこなしてしまうのだからそこで才能が本物だったのだとはっきりとしたな。
でも、最後には足を切る決断をしてブランコ乗りに舞い戻った涙雨にもやはり稀有な才能があったのだな、と。執着もそこまで行けば才能なのではないか。
愛涙は愛涙で、幸せを掴めて良かったな。アンソニーも普段はあんな性格だけど、きっと愛涙を大事にするのだろうなぁ。

アンデルセンは、本当にペチャックがお気に入りだったんだな。
というか、サーカスの実権握るって凄いことしようと思ったもんだ。
団長シェイクスピアは、恐らく譲るだろうな、その席を。なんとなく、団長は世代交代を受け入れると思う。長らく腐敗した賭けの仕組みをどうにかしたいと心の奥底では思っているのではないかと。
カフカが面接を受けた時、初代と似てると笑ったシーンが印象的でそう思うのかも。

ペチャックとカフカの関係性良いなぁ。確かにあの二人はとても似ていたと思う。カフカ、笑顔画出来るようになって良かった。ペチャックも、良さそうなご主人様の元に行けたみたいで良かった。

しかし、最後の王社長似一番驚いたかも(笑)
女の子ダメなんだ、って!衝撃的過ぎて。あんな何でも持ってる男がまさかな(笑)

不思議な世界観が心地良かった。紅玉先生の書く話は本当に好きなのが多い。


読了日:2015/04/20 🌟🌟🌟



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