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SENSEMAKING(センスメイキング)

上の写真を見て、何かわかりますか?





この写真を見て、イタリア人は何かすぐにわかります。 


答えは、”最後の晩餐”です。  


これは極端な例ですが、人によって見えているものが全く違うということがわかります。真に純粋に物事を見ることは不可能で、必ずその人の個人的な解釈が入ってしまう。

以前、書家の紫舟さんとお仕事をご一緒させて頂いたとき、とても印象的なことをおっしゃっていました。「文化による美の違いは見えているものが異なる」と。彼女が欧州でも評価されているのは、欧州の人にも見える作り方をしているからだと。例えば、ひらがな「の」「ま」は全て右まわりだが、アルファベットの「a」や「c」は左まわりで書かれているのだと。彼女の作品は、文化形成による無意識の部分にアプローチしているからこそ、欧州の人の目にとまるということをお話されていました。

モノを観察したり、メッセージを受け取った理、何かを捉える際の人の解釈は、文化的・社会的・そして個々の枠組みを通じて行っています。全ての人は無意識にそのフィルターを通じて物事を見ているのです。

デザイン思考では、「OBSERVING(観察/感知)」実際の生活の中で人々を観察します。その際に、文化への理解が欠かせません。それは、人類学、民族誌学、社会学などの人間科学への深い理解です。私がヨーロッパに来てよかったと思うのが、人間科学や哲学などの深い議論ができるということと、もう一つはひと口にヨーロッパと言っても、本当に各国異なる文化を持っていて、それを味合うのが本当に面白いのです。

文化とは何か?                  

”文化とはコミュニティや社会集団の共通の価値観、生き方、そしてそこから学んだ行動パターン。それは、価値、コミュニケーション、組織を通して、表現されます。(John Heskett)”

文化によっては人との距離感なども変わってきます。

文化の違いを理解するためのツール

面白いツールがあります。オランダの社会心理学者の研究を元に、6つの項目で国の文化的特徴を理解することができるWEBサイト。Hofstede:https://www.hofstede-insights.com/product/compare-countries/


もちろん、文化=国では必ずしもなく、ステレオタイプで捉えてしまうのはよくないですが、こういう側面もあるかもしれない、と考えることで、見える角度が変わってきたりもします。

デザインを行う上で欠かせない、センスメイキング(意味形成 )とは、文字通り、意味(sense)の形成(making)であり、人間が意味を与える過程を言います。重要なのは、センスメイキングを行う人物が文化的、社会的背景を理解した上で、コンテクストを読み取り、先入観や固定概念に縛られずに判断をするということです。言葉で言うのは、簡単ですが、これを実践するのは本当に難しいことだと思います。

私もミラノに来てから、自分はこんなにも固定概念に縛られていたのだと日々実感をしています。どうしたら、固定概念から自由になれるのでしょう。一つの方法としては、これまで経験したものと、全く違う経験を重ねること。既存の自分を一旦壊してみるということです。

そうすることで新しいものが見えてくる。

私自身も、今はまだ見えてないものが、1年後にはどれだけ見えるようになっているか、楽しみです。


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