名残の季節、先生のことば
私は京都で月2回、お茶のお稽古に通っている。流派は裏千家。2020年の12月から始めたのでもうすぐ4年になる。先生は野花をこよなく愛していて、お庭で育てた茶花をまるで自然に咲いているかのように生けてはいつも私たちを楽しませてくれる。
「お稽古では本当のことを教えています」と先生は言う。本当というのは、お客様をお招きするときの茶室の設えであったり、本番通りのお道具とお点前でお稽古をするということだ。私のおばあちゃんは長年お茶を習っていたので、そのことを話したとき、「良い先生に