![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161931334/rectangle_large_type_2_cafd1f45659e836e5b93264f2a4fca98.png?width=1200)
ことば好きが翻訳者になるまでの道のり②
前回からの続きです。
ビギナーズラックとしか言いようがないけれど、初めての応募で和訳翻訳者として採用してもらえた私は「ゼロをイチにする」という一番難しいところをあっさりクリアできてしまいました。
当時、まだ子育てで忙しく、さらに時代はパンデミックに突入し、子供が24/7家にいるという状況になり、取引先の裾野を広げるなんていう余力もなく3年弱その会社とお付き合いさせてもらいました。
その後、度重なる引越しやリノベーションで翻訳作業ができなくなる時期が続き、その会社ともお別れに。
しばらく時がたち、いざ環境も整って(子供の学校も始まり)さあ仕事をゲットするぞ!と意気込んだ私はアメリアに入会しました。
入会するやいなや、アメリア主催のトライアルや会報内容をすっ飛ばして、求人を検索し、手あたり次第応募しました。
今となってみれば結構狂ってるな、と自画自賛せずにはいられないのですが、全くやったこともない分野のトライアルに、なんの予備知識も勉強もなく挑んでいってました。いわば、予備知識なしで経験も知識もない分野の面接にいくようなものです。いや、ほんと恐ろしいよな…。
(余談ですが、今、ランサムはなさんの「やさしい翻訳塾」に入塾中で、勉強と知識を備えてから機が熟するのを待って慎重にトライアルに挑む方が多いことを知りました。私みたいに根拠のない自信だけで挑む人もいるってことで、少し気を楽にしていただけたらと思います。)
当時、5社くらい受けたかな…?
はい。
結果は、もちろん
全滅です。
(トライアルを審査する方に申し訳ない💦)
振り返ると、最初のトライアルにすんなり受かってしまったことと、note以前からブログを書いていて、褒めていただくこともたびたびあったので、医療や特許などの専門的な翻訳でなければいけるだろう、と思ってしまったんですね。
しかし、全敗という結果にはさすがの私も凹み、敗因を探す反省の旅にでることになります。
その中でも私の背筋を正してくれたのはイギリスのある会社でした。
ほとんどの翻訳会社は「不合格です」と告げるだけなのに(それすらこないこともあった)、そのイギリスの会社は、分野別(3分野くらい受けたので)にスタイル、用語・語彙力、原文理解度、洗練度を点数化した非常に細かいフィードバックを送ってくださりました。
その時に初めて求められている翻訳のレベルと自分の訳文のレベルの差を感じて、目が覚めるきっかけとなりました。
当然だけれど、「書くことが好き」と「翻訳ができる」はイコールではないという大前提にも改めて気が付くことができました。
むしろ「書くことが好き」だから自分の言葉にこだわってしまうという弊害もあります。
好きなように書き綴れる個人ブログとは違い、仕事として日本語文法や用語用法などもちゃんと勉強しないといけません。
また、ほとんどの翻訳会社は「不合格の場合、審査理由などの問い合わせには返答できかねます」という文言が不合格通知に付いてくるものです。
けれど、この会社の担当の方は、質問にも答えてくださり「10人中1人受かるか受からないかくらいの難易度だからまた来年試してくださいね」とも言ってくださいました。
もし、この会社に出会ってなかったら、理由もわからず挫折感だけが強まって、がんばろう!!という前向きな気持ちにはなれなかったかもしれません。
そんなきっかけを与えてくれたこの会社には感謝です。
あと、最初の会社の名誉のためにいうと、そこのレベルが低いというわけでは決してなくて、求められていることと私のできることとの相性がよかったのだと思います。
そして、ここから勉強フェーズと翻訳分野を絞るフェーズが訪れることになります。
いいなと思ったら応援しよう!
![Uniearth](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64265904/profile_c7c8c9e9a43138afa39296a467e37671.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)