【第1話】ドラマ「たとえあなたを忘れても」神戸街歩き弁護士の雑感
2023年10月22日(日)午後10時から、新ドラマ「たとえあなたを忘れても」がスタートしました。ピアニストへの道に挫折して夢を忘れつつあるヒロイン河野美璃が、過去のことを忘れる病気を抱えながらキッチンカー営業を続ける青年、青木空と出会い、恋に落ちるストーリーです。
このドラマの見どころは、神戸の街が美しく描かれていることです。神戸を舞台とした映画やドラマはこれまでも様々ありましたが、ここまで神戸の街をクローズアップした作品はあまりないように思います。
最近、神戸市では、ロケ地の誘致に注力しているそうで、このドラマの撮影にも、神戸市が関わっているようです。
さて、このnoteでは、神戸のロケ地に着目して、「たとえあなたを忘れても」への雑感を書いてみようと思います。
御影公会堂と石屋川公園
美璃が音楽教室を開いているのが、御影公会堂の集会室です。そして、美璃が初めて空と出会う場所が、そこからほど近く、石屋川公園でした。
御影公会堂は、白鶴酒造の社長の寄付により、昭和初期に設立されました。神戸空襲の被害を受けましたが、全壊には至らず、当時の姿を残しています。
神戸空襲を取り上げた作品といえば、「火垂るの墓」が有名ですが、空襲から逃げ延びた清太と節子が、焼け野原となった神戸の惨状を目の当たりにするのが、まさに、美瑠と空が出会った、現在の石屋川公園近くでした。
(清太が、節子に、「見てみ、あれ公会堂や」と話すシーンがあります。火垂るの墓には、空襲の被害を受けた御影公会堂の姿が描かれています。)
かつて空襲の惨劇を伝える場面として描かれた地が、恋愛ドラマの舞台としてもう一度クローズアップされたことは、感慨深いものがあります。
旧摩耶観光ホテル
美璃と空が初めてドライブで訪れた廃墟ホテルは、地元では有名な旧摩耶観光ホテルです。摩耶ケーブルの駅とつながっていて、普段は入ることができませんが、撮影用に時々開放されているそうです。
その美しさから、「廃墟の女王」の異名を持ち、国の有形文化財にも指定されています。
「一度は輝きを失いながら、再びその魅力を取り戻した旧摩耶観光ホテルのように、美璃にもう一度夢を取り戻してほしい」という思いが、美璃をドライブに誘った空の真意だったのかもしれません。
旧摩耶観光ホテルの普段の姿は、NHKアーカイブスでも見られます。
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0004990679_00000
空が美瑠を誘った場所
空が美璃の記憶を失う前に誘った場所(スマホで写真を見せていた場所)は、塩屋の旧グッゲンハイム邸です。
旧グッゲンハイム邸は、100年以上の歴史を持ち、今でも音楽会が開かれるなど地元の方に愛される場所です。
旧摩耶観光ホテルと旧グッゲンハイム邸には、「過去のものが大切に守られている」という共通点があります。
過去の記憶をすぐに失ってしまう空だからこそ、このような存在に魅力を感じているのかもしれません。
神戸街歩きブログのご紹介
最後に、私が不定期配信している街歩きブログのご紹介です。
最近、所属事務所の公式サイトで、神戸街歩きブログを不定期配信しています。実際に街を歩いてみることで、神戸の様々な顔を知ることができ、その魅力を感じるようになりました。
もしよろしければ、こちらもお読みいただければ幸いです。