弁護士石田優一

弁護士・社会保険労務士・登録情報セキュリティスペシャリスト。神戸の法律事務所にて、個人の方からは労働問題・離婚・相続など日常のご相談、企業の方からは労務・IT関連のご相談を主に承っています。最近気になった社会問題や、日々の業務で感じたことなど、法律×労務×ITの視点で考察します。

弁護士石田優一

弁護士・社会保険労務士・登録情報セキュリティスペシャリスト。神戸の法律事務所にて、個人の方からは労働問題・離婚・相続など日常のご相談、企業の方からは労務・IT関連のご相談を主に承っています。最近気になった社会問題や、日々の業務で感じたことなど、法律×労務×ITの視点で考察します。

マガジン

  • Claude能力検証

    話題の生成AI「Claude」の能力を検証しています。想像以上の能力に驚きです!

  • 朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察&感想

    NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、定期的にアップしています。「細かすぎて伝わらないなぁ」と感じた作中の法律ネタも細かく取り上げています。

  • ドラマ「たとえあなたを忘れても」神戸街歩き弁護士の雑感

    神戸を舞台にした恋愛ドラマ「たとえあなたを忘れても」を、主にロケ地に着目した独自視点で考察しています。

  • 学校制度の問題を弁護士目線で考察する

    学校は、だれもが経験する場所です。しかし、そこには、ブラック校則、不適切な指導、いじめなど、様々な問題があります。「よりよい学校制度のあり方」についてこれまで考察したことをまとめています。

  • AI時代の社会のあり方を考える

    AIは私たちの日常生活や仕事、社会をどのように変えるのか、未来予想noteをまとめたマガジンです。

最近の記事

  • 固定された記事

わたしがnoteで書きたいこと

弁護士としてnoteで発信していきたい思いを、初心を常に忘れないために書き留めました。 弁護士経験で学んだことを発信したい2023年1月から、弁護士生活8年目が始まりました。弁護士としては、まだまだ若手ですが、それでも、これまで様々な案件に出会い、様々な学びがありました。 弁護士1年目に経験した案件で、今でも深く印象に残っているものがあります。それは、冤罪を訴える外国人の刑事事件の国選弁護人を担当したことでした。この事件では、取調べにおける通訳人の誤訳の疑いや、公判中に強

    • Claude能力検証④-法律相談にどこまで対応できるのか?

      能力が高いと最近評判の「Claude」を実際に使ってみて、どれほど能力が高いか検証しています。 テーマは、「Claude」は法律相談にどこまで対応できるかです。相続放棄を例に、弁護士らしい回答ができるか、試してみました。 生成には、Claude3.5 Opusを使っています。 入力したプロンプトClaudeの回答相続放棄の問題で一般にアドバイスしなければならないことは、網羅されている印象です。Claudeの能力の高さを、改めて思い知らされました。 一方で、3か月の申述

      • 朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・最終週(尊属殺違憲判決、法とは何か)

        ついにフィナーレを迎えた「虎に翼」。尊属殺違憲判決をはじめ、最終週も目が離せませんでした。 尊属殺違憲判決よねさんが最高裁弁論で「畜生道」と表現していた事件。実際の事件は、どのようなものだったのでしょうか。 どのような事案だったのか? ドラマで紹介されていた事案は、おおむね実際の事件に沿ったものでした。 被告人となった女性は、14歳の頃から実父に性交渉を強制されるようになり、5人の子どもを出産しました。29歳になって、職場の同僚と恋仲になり、実父に結婚を打ち明けたとこ

        • 朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第24週・第25週(桂場のモデル、脅かされた司法の独立ほか)

          第24週・第25週は、裁判所人事への政治介入、ブルーパージ問題、少年法改正問題など、司法のあり方にかかわる大きなテーマが史実に沿って描かれていました。今回のnoteでは、最高裁長官、桂場にスポットライトを当てながら、「司法のあり方」について考えたいと思います。 また、尊属殺重罰規定も大きなテーマとなっていましたが、こちらは、次週の考察で取り上げたいと思います。 桂場のモデル裁判官メンバーの中でも、信念が際立った桂場。そのモデルとは、どのような人物だったのでしょうか。 桂

        • 固定された記事

        わたしがnoteで書きたいこと

        マガジン

        • Claude能力検証
          4本
        • 朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察&感想
          20本
        • ドラマ「たとえあなたを忘れても」神戸街歩き弁護士の雑感
          10本
        • 学校制度の問題を弁護士目線で考察する
          4本
        • AI時代の社会のあり方を考える
          5本
        • オンラインサービスの利用規約作成術
          5本

        記事

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第23週(東京原爆訴訟)

          第23週は、三淵嘉子が実際に担当していた東京原爆訴訟(下田事件)が、大きく取り上げられました。米国の原爆投下行為について日本国への損害賠償を請求したこの事件。法曹界では広く知られていますが、おそらくドラマでクローズアップされたのは、初ではないかと思います。 実際の東京原爆訴訟今週のストーリーは、下田隆一さんを含む4名の被爆者が原告となった、東京原爆訴訟(いわゆる下田事件、シモダ・ケース)がモデルになっています。この事件の判決文は、日本反核法律家協会がWebサイト上で公開して

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第23週(東京原爆訴訟)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第22週(小橋の名言、なぜ補導?)

          第22週は、寅子と航一との新生活が始まりました。航一の子どもたちとの見えない壁、言い表せない微妙な空気感、何だか昼ドラを観ている感じでした。家族を1つに向かせようと必死な優未の姿が、何とも健気でした。さて、今回のnoteでは、小橋の名言、航一の娘はなぜ補導された?を取り上げます。 小橋の名言働く女性に対して「(家庭に入ることができる立場にあって)なぜ働かなくてよいのに働くのか?」という苦言を呈する学生に対して、小橋が発した言葉です。 これまでの小橋の生き様を知っている私た

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第22週(小橋の名言、なぜ補導?)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第20週/第21週(遺言書の意味、原爆裁判)

          第20週〜第21週は、寅子と航一の関係が大きく進展しました。また、法律的には、夫婦別姓や、事実婚、LGBTQ(パートナーシップ)など、「虎に翼」最大のテーマともいえる「家庭のあり方」が大きくクローズアップされました。今回のnoteでは、個人的に気になった「寅子と航一の遺言書」と、「原爆裁判」について取り上げます。 寅子と航一の遺言書の意味寅子と航一が、事実婚の証として、遺言書の写しを交換したことには、どのような意味があるのでしょうか。 事実婚であっても、近年は、法律婚に近

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第20週/第21週(遺言書の意味、原爆裁判)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第19週(美佐江の問いかけ)

          第19週では、ついに、美佐江の闇が明らかになってきました。美佐江が寅子に問いかけたあの言葉。今後、ドラマの展開にどう繋がっていくのでしょうか。 美佐江の問いかけミサンガ女子高生、美佐江が、寅子に対して伝えたこの言葉。結局、寅子は、美佐江に対して、「スッキリさせる」答えを伝えられませんでした。 美佐江は、この言葉を残した後、東京大学に進学し、新潟の地を去ります。 なぜ罪を犯してはいけないのか?当たり前のことほど、説明が難しいことはありません。数学でも、「1+1=2」の証明

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第19週(美佐江の問いかけ)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第18週(誤訳問題、裁かれない苦悩)

          第18週では、朝鮮人差別問題や、航一の過去など、シリアスなテーマが取り上げられていました。その中で、特に印象に残った話題を取り上げます。 誤訳問題作中で取り上げられた放火事件は、長野地裁飯田支部昭和33年7月25日判決がモチーフになっています。実際の事件でも(ドラマでは脚色がありましたが)誤訳が問題になっていました。 私が経験した誤訳問題 私が弁護士1年目に刑事弁護を担当したベトナム人事件でも、取調べにおける誤訳の疑いが、大きな争点になりました。 事件を否認している被

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第18週(誤訳問題、裁かれない苦悩)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第17週(華族令、後継ぎ問題)

          第17週では、涼子との再会で、桜川家の戦後の歩みが明らかになりました。華族としての生き方が、大きくクローズアップされました。 華族とは?作中で何度も出てきた「華族」という言葉。そもそも、華族とは、どのような身分だったのでしょうか。 華族は、もともと、明治初期に、公家や大名などの家系に与えられた身分でした。その後、華族制度が改められて、国家への貢献者にも爵位が与えられるようになりました。 華族には、貴族院議員となることや、学習院に入学することなどの特権が与えられ、財産制度

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第17週(華族令、後継ぎ問題)

          Claude能力検証③-ドラえもんのひみつ道具を創造できる?

          能力が高いと最近評判の「Claude」を実際に使ってみて、どれほど能力が高いか検証しています。 テーマは、「Claude」はドラえもんのひみつ道具を創造できるか?です。 生成には、Claude3.5 Sonnetを使っています。 量子のもつれのくだり、とても面白いですね。もちろん、現実世界での実現は困難でしょうが、いかにもそれっぽいフィクションが魅力的です。藤子先生の感じが出ています。のび太くんは、どう使うのか?気になります。 また、Claudeのレベルの高さを、身に

          Claude能力検証③-ドラえもんのひみつ道具を創造できる?

          Claude能力検証②-比較法的アドバイスは可能か?

          能力が高いと最近評判の「Claude」を実際に使ってみて、どれほど能力が高いか検証しています。 テーマは、「Claude」は専門的なアドバイスにどこまで活用できるか?です。専門家でもなかなか説明が難しい、個人情報保護法の「個人情報」とGDPRの「パーソナルデータ」の違いについて、試しに聞いてみました。 生成には、Claude3.5 Sonnetを使っています。 精度が高い内容です。IPアドレスやCookieについても例示できており、「うまく説明してるな」と感心します。

          Claude能力検証②-比較法的アドバイスは可能か?

          Claude能力検証①-方言には対応できるのか?伊予弁で検証

          能力が高いと最近評判の「Claude」を実際に使ってみて、どれほど能力が高いか検証を始めました。 今回のテーマは、「Claude」は方言に対応できるか?です。私の地元、愛媛県の方言(伊予弁)で検証してみました。 生成には、Claude3.5 Sonnetを使っています。 50年間、愛媛の地で蕪を育てていた男性「かぶじいさん」が、世界で蕪を売り歩くストーリーを、伊予弁で生成するように指示しました。 想像をはるかに超えて、うまくいきました。本当に、伊予弁を勉強したライター

          Claude能力検証①-方言には対応できるのか?伊予弁で検証

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第15週/第16週(家庭との両立、裁判官の独立ほか)

          第15週から第16週までは、寅子がそれまでの母親+裁判官としての生き方に挫折し、リスタートの道を歩み始めました。 NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、noteにしたためています。 家庭との両立裁判官の仕事は、今でも転勤や夜間の宿直など、家庭との両立にとって支障となる問題があります。戦後間もないころの裁判所事情は、なお顕著な問題があったことと想像されます。 そのような中で、寅子が自らの家庭とどう向き合い、仕事と家庭をどう両立していくか。

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第15週/第16週(家庭との両立、裁判官の独立ほか)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第13週/第14週(家事部✕少年部、尊属重罰規定合憲判決ほか)

          第13週から第14週までは、いよいよ寅子が裁判官として活躍する日々がやってきました。 NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、noteにしたためています。 特例判事補戦後の裁判官不足を補うために、判事補でも1人で審理を担当することのできる「特例判事補」の制度ができたことが取り上げられていました。 裁判官は、判事補から出発して、その後に判事となりますが、本来、判事補の段階では1人で審理を担当することができません。ただ、5年以上の経験を積んで

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第13週/第14週(家事部✕少年部、尊属重罰規定合憲判決ほか)

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第11週/第12週(戦前の少年法、家裁発足の苦難ほか)

          第11週から第12週までは、いよいよ寅子が家庭裁判所の立ち上げに尽力します。 NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、noteにしたためています。 家事審判所・少年審判法統合の課題家事審判所と少年審判所とを統合して家庭裁判所を設立することに対しては、ドラマだけではなく、現実にも、厳しい反対の声がありました。 その理由として、同じ行政機関として少年院と少年審判所が密に連携してきた戦前の仕組みが、両者を行政機関/司法機関として切り離すことによ

          朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第11週/第12週(戦前の少年法、家裁発足の苦難ほか)