日仏融合なイカ飯、イカ入りはんぺん添え
「毎月10日は、イカの日」
ちょうど1ヶ月前のこと。私がラデュレのマカロンのコックを予期せず100枚焼きした日と時を同じくして、日本のパリでもピエールエルメのマカロン(モガドール)を作っている週末スイーツおじの方がいて、偶然にも10月9日がマカロンの日だということを知った。
ついでに、イカを愛してやまないお仲間のチョコチップクッキーさんが「毎月10日はイカの日」というネタを投下。まさかのマカロンからのイカ。どうしたって乙女になりきれないOSSANNE。
その後のご近所コメントの中で、翌月の10日イカの日にイカ料理をするということに決まった。イオンのお客様感謝デーかよと突っ込みをいれたくなるが、こういうイベント事は好きなので、喜び勇んで。
昨日は、11月のイカの日
日本との時差があるため私はちょっと出遅れたけど、日本の東京らへんでは、イカ愛にあふれるご近所たちが、それはもう素晴らしいイカ料理をお作りに。
さすがのチョコさん。
イカ尽くしのイカ御膳。神がかっている。イカ明太を温でくるとは・・・。。
生イカ明太とたこわさ狂の私にとっては目からうろこ。
ついでにこのニッチな2品をチョコさんもお好きだと聞いて、さらなる親近感。
ケイチェルのおいたんは、私のエウセビオイカ墨をうまいことアレンジ。
やっぱりイカ墨は正義だなー、めっちゃ美味しそう。
欧州のお仲間も。
ウィーンでイカ活をされたPezioさん。
内陸国だとイカゲットはなかなか難しい模様。
でも、かわりのおつまみプレート、ロシアンたらこ缶も入って、豪華!
さて私、どうするよ
イカの輪が広がってうれしいなあと眺めながら、さあ私ですよ。
ちょっと復習をしてみると、私はすでに、窓際干しインパリのイカソーメンにはじまり、エウセビオのイカ墨、ブレスレット大の巨大イカリング、本格系イカ墨パエリアと、愛するイカを題材にした料理を結構作ってしまっている。
イカの可能性は無限大なので、まだまだイケると信じているのだが、せっかくのイカデーなので、ちょっとこれまでと違った感じでいきたい。
そこで迷ったのが、詰めるか、生でいくか。
ケイチェルおいたんもさらっと触れているが、シェフ・ミクニのこれを見て、あーこれ真似しようかなと当初はぼんやり思っていた。
生でいく最大のリスクは、Otto氏手を付けないのでは?説。
カツオのたたきもマグロの漬けも、「私はケッコウです」と目もくれず、隣で自称ダイエットスープ(パスタチーズどっさり)をすすっておられた氏のことだ。
当日朝、仕事が休みだったOtto氏とともにマルシェに行き、ご立派なイカを2ハイ私が購入したのだが、これまでの経験上、生で食べる可能性は限りなく低い。。
というわけで、生はひとりごはんの時の楽しみにとっておこう。
今回は詰める。ただしシェフ・ミクニよりも和に寄せつつ、日仏融合な感じに。
今日も壮絶なる創作料理のはじまり、はじまり。
本日のイカは、こちら
なかなかにご立派。2ハイで1000円くらい。
足長でーーーっす!!!
イカの解剖を、はじめるよ
イカソーメンで小さめのイカならたくさん捌いたので体が覚えているが、大きめのイカは慎重に行きたいので、youtubeとこちらのページで軽くお勉強しながら、さばく。
この透明なのは、生殖器なのかな。なんと美しい透明。
くちばしをむにゅって取るのがいつも快感。軽く変態の域。
無事に解体完了。肝は今日は使わないので、冷凍保存用に塩ふって冷蔵庫へ。
軟甲がご立派!これまた美しい。
羽根ペンならぬ、イカペンごっこ。
ひとしきり遊んだところで、まずは付け合わせから
チョコ先生が作っていたすり身を参考に、イカ入りのはんぺんのようなリヨン名物クネルのようなものを作りたい。
はんぺん作りに挑戦して惨敗したときに皆様からいただいたアドバイスを参考に、リベンジすることにした。
例の冷凍大理石タラと、フランス的山芋系Igname(イニャム)。
こちらのイニャム、ご近所カフェ友Eちゃんがお裾分けしてくれたもの。
すり下ろしてお好み焼きに使ってみたらうまいこと固まったので、本日採用。
明らかに長芋ではなさそうだ。
解凍をしっかりして、さらに水分をしっかり絞りとった大理石タラ、すりおろしイニャム、片栗粉、卵白、塩、さとう、ちょこっとみりんを加えて、私のボーイフレンド、フープロにグイングインしてもらう。こないだよりは水分もすくないし、粘り気もある感じ。
この後、イカのえんぺらとゲソの一部を細かく切って、加えた。
慎重に慎重をかさね、ラップでキャンディ状にする。
ラップのまま茹でて大丈夫だろうかという不安はあれど、耐熱140度までオッケーらしいから、旭化成を信じよう。ジャパンクオリティ。
沸騰するかしないかくらいの温度で20分くらい茹でてみた。
ちゃんと固まった。リベンジ成功かな?
イカの中に詰めるものをつくる
ご近所の方は覚えてくださっているだろうか。以前、マルシェの魚屋で大量買いしたときのクイズ。この左下にある「サーモンのおかしら」。お値段、120円。
下処理をして冷凍庫に保存していたのだが、ついに本日出番。
こちらに先日2ユーロで仕入れた鮭ハラスのあまり(これまた冷凍保存)を足して、洋風炊き込みご飯を作ることにした。
これからの作業で一番重要な注意事項。
それは、死んでもOtto氏にこの姿は見せてはならない。
なんか鮭って意外につぶらな瞳でかわいいのね。小目的親近感。
軽く塩振って湯通りしたら米を炊く鍋に軽く油をひいて、軽く焦げ目がつくくらいこの方たちをソテーして、取り出す。
ソテーしてるときにフラっとキッチンに現れたので慌ててフタをする私。スリルでしかない。
お米を2合入れて、昆布と千切り生姜をのせる。
だし汁は茅乃舎のだしで。
おかしらとアラをお米の上にのせて、だし汁をかけ、バターオン。
ちょっとみりんもいれた。
塩気は後からどうにでもなるので、この状態で普通に炊く。
炊き上がり。鮭エキスが染み込んでいる。
何度も言うが、死んでもこの姿をOtto氏に見せてはならないので、ほお肉やヒレ部分についた身をきれいに取り、その他は証拠隠滅。お疲れ様でした。
食感用に松の実を入れた。塩気は醤油なり塩なりで追加。
大葉があれば刻んでいれるのになあと思いながら、ゴマも足して、炊き込み混ぜご飯の完成。
フランス的要素は、やっぱりソースで
クネル風はんぺんもあるし、なにかソースがほしいな。
マヨ系ならおそらく合うだろうということで、前日に仕入れたエストラゴンを使って、またまた登場あったかマヨネーズ、ソース・ベアルネーズを作っておく。
フィナーレは、すぐそこに
さてフィナーレ。イカに鮭の炊き込みごはんをぎゅいぎゅい詰める。
いつもイカに詰め物をするときは、「まさかイカも、体内に米を詰められるとは存命中に思いもよらなかっただろうなあ…」と思いを馳せる。海の恵みに感謝。
ゲソは、一緒にソテーして飾り用にしようと思い、とっておいた。
オリーブオイルを引いたフライパンで、ソテーする。途中白ワインもちょろっと。
はんぺんクネルも香ばしいほうが美味しいかと思って、ソテーすることにした。
役者はそろったので、もりつけ
まずはイカ飯をカットだ。
ぎゅうぎゅう詰めすぎたのか、ごはんが飛び出す(笑)
本日のイカな一皿、完成
ソースを勾玉のような形にお皿にしいて、カットしたイカ飯、はんぺんクネル、ゲソを並べてにぎやかしにパセリを。
イカメシ・エ・スリミ・フランコジャポネ・メゾン
(我が家の日仏融合なイカメシとすり身)
炊き込みご飯の段階で美味しいので、まあ美味しくないわけがないのだが、ソースはなくてもよかったな。普通にしょうゆでいい。
心配していたOtto氏。意外や意外、ぱくぱくと早々に完食していた。
美味しかったらしい。
あの姿を見せなくて本当によかった。
スリルをのりこえ、よくがんばったわ私…。
パリでも、イカの日のイカ祭りは盛況のうちに幕を閉じたのでした🦑