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洋風おうちごはん

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フレンチ中心に、洋っぽいおうちごはんのまとめ
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2020年7月の記事一覧

ありがとう、偉大なるバッハ〜パッヘルベルのカノン風ポテト

何の予定もない日曜日のお昼前、「今日のお昼はなに食べよっかねえ」と私はOtto氏に話しかける。 するとOtto氏開口一番、 「あ、そういえばじゃがいもどうなった?」と。 ・・・・・・あああああ。 ついに、ついにこの日がきてしまった。 じゃがいも生活、ふたたび ノール(北)から戻ってきた月曜日以降、もうじゃがいもなんてみたくないわ病で、じゃがいもとの距離を取っていた私。 一方、パリに戻る前日、北のじゃがいもは美味しいんだと言って、農家直営の販売所にて5キロものじゃが

今宵は2人でホームパーティ〜自家製ふわ甘生地でミックス&てりマヨピッツァ

世界的にもっとも愛されている食べ物のひとつであろう、ピザ。 個人的に、旅の最中、食べるものに困ったら大抵ピザ。 私とピザとの思い出は、かれこれ20数年前に遡る。 アメリカで出会った巨大ピザ私が初めて日本国外を訪れたのは、小学校3年生の夏休みのこと。 故郷に総本山がある、スズキ・メソードの教室で物心つく前からピアノを習っていたのだが、アメリカで開催されるワークショップに参加するためにアメリカの東海岸に足を踏み入れた。 初めて両親と離れて3週間、先生たちに連れられて、東海岸

パクチーの生き方に我が人生を問う〜冷製ジェノベーゼ風パクチーのカッペリーニ

さて今週もやってまいりました、土曜のお昼は決まって麺シリーズ。 昨晩は、パリの深酒系飲み友Aちゃんとその愉快な仲間たちで、Aちゃんの生誕を盛大にお祝い。 それはもう久しぶりに楽しい夜だったのだが、シンデレラタイムちょい前くらいまでしか飲んでいないのにも関わらず、頭が痛く、内臓が重い。 俗にいう、二日酔いってやつだ。   胃に続き肝臓まで弱くなってきたというのか、私。 年齢には抗えないのだなあと思うと、少し寂しくなる。 ということで今日は軽めに、暑い日のランチにぴったりな

個性派チーズを溶かしてみたら、また新たな世界が見えた〜ロックフォールっぽいチーズのソース

フランス北部サバイバル生活もフィナーレ。 1週間以上もパリを離れていれば、過去のクリエイションストックにすがるしかなくなるかな…と思ったけれど、サバイバルはサバイバルなりに料理をするもので、過去のストックがなかなか減らない(笑) またまた個性派チーズを発見したさて、フランス北部滞在の最終日前日は、義母別宅にお呼ばれし、おそらく胃と肝臓がはち切れるくらい食べ飲みする予定。なので、その前に冷蔵庫をきれいにしなくてはならない。 冷蔵庫を覗いてみたところ、目の前に鎮座おはします

サバイバル料理の定番〜本気で恋したバルセロナの思い出、トルティージャ

フランス北部生活もおよそ終盤。1週間、早い早い。 ふと蘇るバルセロナの思い出毎日、日本のパリから美味しそうなごはんを作っているケイチェルおじさまのスパニッシュなnote投稿を読んでいた私。 ふと、マイバブル時代にバルセロナ旅行に行ったときの、衝撃的に美味しいトルティージャを思い出した。 当時の相棒、胃袋の合う友Aちゃん(いちごとフェタのエトセトラを参照)と共に、それは美味しいものばかり食べ尽くす旅をしたのだけど、バルセロナ到着初日の夜に訪れたのがCal Pepというレス

セーラージュピター系夏野菜の躍進〜ズッキーニのヘルシーファルシ

フランスで迎える5度目の夏。 個人的に、夏の5大野菜といえば、以下の5つだと思っている。 トマト、きゅうり、ナス、ズッキーニ、パプリカ。 もっとも季節感を感じられるマルシェでも、6月以降、こんな感じでこれらの夏野菜たちが並んでいる。 勝手にこの夏野菜たちを5戦士に例えると単なる思いつきと完全なる独断で、この夏野菜たちを我らが幼き頃のヒーロー、セーラームーンと内部太陽系セーラー戦士たちに例えてみることにした。こんな感じだろうか。 セーラームーン:トマト (赤ってなんとな

死ぬほど臭いチーズと真剣に向き合ってみた結果、ほっぺが落ちた〜マロワールのタルト

美味しいワインとチーズとパンがあれば事足りる国、フランス。 ワインはもとより、チーズの種類がとっても多い。 かの名将、偉大なるシャルル・ド・ゴールが、 « Comment voulez-vous gouverner un pays où il existe 246 variétés de fromage ? » 246種ものチーズがある国をどうやって治めろっていうんだ? と宣うたのは有名だが、たぶん246種にとどまらず、もっとある。各地域に特産のチーズがあって、勉強し

ラタトゥイユ生活3秒計画・実践編〜白身魚の包み焼き

突然家を空けることになり、冷蔵庫の中身を消費しなくてはならなくなったときのスーパー救世主、ラタトゥイユの続編。 2日目の夜は、3秒で思いついたラタトゥイユ生活計画によると「肉(もれなく鶏肉)or白身の魚と合わせる」だ。 ちなみにその日はちょうど金曜日。昔からフランスでは「金曜日は魚を食べる日」と聞いていた。 なぜかとOtto氏に理由を尋ねてみたら、イエス・キリストが亡くなった日だから、肉ではなく魚を食べるらしい。肉だと血が流れるだろうっていってたけど、魚だって血を流すじ

旅立ち前、冷蔵庫を空にする方法を3秒で考えた〜夏野菜のラタトゥイユ

ある日のこと、朝7時過ぎのパリ市内、Milouのお散歩ついでにOtto氏のお見送りをしていると、彼がふと言った。 「あ、Travaux(工事)に白いデニムはNGだぞ」 ・・・ん?確かに今私、白いデニム履いてるけど、工事ってなんのこと??と思って聞いたら、 「(北の家の)工事手伝いよろしくって言ってただろう」 って、えー!! ものの見事にすっかり忘れていた。遡ること数日前に、週末北に帰るぞってそういえば言ってた。本気だったのか。 それはそれで構わないのだが、火曜日の

土曜のお昼、決まって麺を食らう〜梅トマトモッツァの冷製カッペリーニ

「土曜日のお昼は、昔からいつも麺」 いつかの飲み会だか合コンだか忘れたけれど、このことを話したら、うちもそう!って結構盛り上がったのを覚えている。 私が子供のころはまだ、公立でも土曜日の半日授業があった。今がどうなのかは存じ上げないが。 いつもより短い半日授業が終わって、やれやれようやく1週間が終わる、と帰ってきたお昼。給食じゃなくお昼に母のご飯が食べられるやったー!と楽しみにしている土曜日のお昼。我が家はたいていホットプレートで焼きそばとかラーメンだった。 今はとい

我らが大いなる主食、じゃがいも〜じょり家の肉じゃが

フランスはノール地方、場所でいうとベルギーの国境にほど近いフランス北部出身の我がOtto氏。 控えめに言ってもじゃがいもが大・大・大好きなのである。   彼曰く、パンにならぶ、主食だ。 Otto氏に限らず、そもそもフランス人は一般的にじゃがいもが大好きだと思う。 信じられない量のフリット(日本でいうフライドポテト)を、ステーキやムール貝などとともにビールやワインで流し込む姿は、大衆的なカフェやレストランでよく見られる光景だ。 1ヶ月前くらいのニュースで、コロナ禍で外食

花のバブル時代の残り香〜いちごとフェタ

真夏のような暑さの続く週真ん中の昼下がり、冷蔵庫を覗いて目が合ったのは、いちごとフェタ。 いちごはOtto氏生誕祭の特大ババ・オ・ラムで使ったあまり(いつか記事にしたい)、フェタは先日のスーパーヘルシーサラダに使ったあまりだ。 瞬間風速的に脳裏に蘇る我が駐在時代、花のバブル時代の思い出。 30代一歩手前でフランスに来た私は、最初のアパートに死ぬほどアリが出て引っ越しを余儀なくされ、後遺症でしばらくの間、黒いつぶつぶが食べられなくなった。ゴマとか。それに、海外に住んだこと

健康になれる気しかしない〜キヌアとスイカ、フェタのサラダ

スイカモッツァで、スイカの底力と新たな一面を垣間見た私。 例えていうならば、本来ゴール前を守るはずのDFが、なぜかFWポジションで試合にでてきちゃってるけど、あれ、なんか意外にいいじゃん、みたいな。パリでもサポーターとして心の中でバモっている、故郷のJ2サッカーチームの試合で最近起きていることだ。 スイカモッツァの余り、小玉スイカの半量は、もちろん単純に食べてしまう手もあった。けれど、スイカの秘めたる可能性に気づいてしまった今、やはりここはもう少し頑張ってもらおうと、活躍

鶏肉好きなそこのあなたに捧ぐ〜バスク風鶏の煮込み(poulet basquaise)

うちのOtto氏に、「肉でいったらどの肉が好き?」と尋ねれば、問答無用で「Poulet」。鶏だ。鶏の食べ過ぎでそのうち鶏にトランスフォームするんじゃないかはっはっはっ、と冗談をかますくらい、無類の鶏好きだ。 ということで生誕祭のディナー、メインは鶏で決まり。至極シンプル。 ただ、鶏といっても東は唐揚げから西はケンタッキーまで、調理方法は幅広い。さあここが個性の出しどころ。 Otto氏の好きな地域、かつ鶏の名物料理があるところはさあどこだ?3分くらい考えてみたらひらめいた