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田中美津さん:『オナラがなんだあ』 再考ミューズカル・女の解放
客席真っ暗、
黒づくめの魔法使いのおばあさん、暗い舞台脇より登場。
中央で正面を向く。照明。
手に持つのはほうきでなく長い棒。その先端には押せば「ブーッ」と音のする丸いボール。
ふか〜いおじぎ、そして
超まじめな語りが始まる。
「皆さん、
オナラをがまんすることは、
体に とっても 悪いのです。
オナラをがまんしたために、
去年一年間だけでも、 なんと一千九百二十三点五人もの女の人が
おッ亡くなりになりました。
本日 わたくしは この場をお借りしまして、
おならガマン反対運動を 立ち上げたいと思います。
(オナラ我慢反対のハチマキを締める)
シュプレヒコール!
オナラが なんだあ (聴衆)オナラがなんだあ
オナラが なんだあ (聴衆)オナラがなんだあ
なんだあ なんだあ、なんだあ(聴衆)なんだあ、なんだあ、なんだあ
「ブーーッ」
あッりがとうございました。」
再びふか〜いおじぎのあと、下を向きそろそろと舞台を退場。
ーーー
おならをガマンしただけで一千九百二十三点五人もの女性が命を落とした、理由も理由だしその数がものすごく大きく、とにかくおかしかったのだが、
思えば、
女性たちが、家族・友人・恋人・親戚・同僚・上司・世間の有言無言のプレッシャーのもと、期待に応えようとガマンしていることが、意識無意識にゴマンとあるだろう。(男性も。ただそこに明らかな違いもある。)
ために、自分を出しきれず、自分のどこかを殺して生きていることを思えば、この数は何百倍何千倍にもなることだろう。
お腹を抱えて笑い、人にこれを話すたびに一緒に大笑いしていたのだが、
さて、美津さん、
「楽な方、楽な方を選びなさいヨ」(気をぬいて、ガマンしないで、楽に)
って、いつも言ってたのは、このことだったのですか、
オナラを筆頭に
ゴマンとある
女性を「死なせている」
ガマンしてることみ〜んな
だったのですか、
そうだったのですか、美津さん。
ありがとう、美津さん。
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つか子と「あの人」プロローグ
エピローグ:つか子と「あの人」
長編:[完 ]つか子と「あの人」プロローグ・本章・エピローグ:編集中
最近の作品:『田中美津さん もしも あなたに逢えずにいたら』
『切花と先住民』 『救急車のサイレン』
『夫の質問:タンスの底』 『外せないお面』
『みじか〜い出会い・三つの思い出』
『人[.を ]見たことのない土地』
『スイカと鳩:ひとりの小さな平和活動』 『昭和40年代:学生村のはなし』『クエーカーのふつうしないこと:拍手』
『アフリカ系アメリカ人:一瞬たりとも』 『明治の母と昭和の娘』
『本当の思いを云わ/えない本当の理由』
『伝統ある黒人教会のボランティア』
『スッキリあっさりの「共同」生活』
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