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【日本一周 北関東編18】 こんな夜に生涯であと何度出会えるだろうか
・メンバー
明石、尾道、釧路、宮島
・こんな夜に、生涯のうちであと何度出会えるだろうか 筆者:明石
各々のセレクトしたカップヌードルを手に乾杯すると、修遊旅行の夜がはじまった。
遊戯場となるちゃぶ台の四隅にはコンビニで仕入れた嗜好品をうずたかく積みあげられ、それぞれが幸福を手の届くところに置いている。1杯目のカップヌードルを乾かすのも束の間、ゴキブリポーカーの火蓋が切って落とされた。
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宮島がドンキホーテにて購入したゴキブリポーカーはあまり耳馴染みのないゲームだが、ポーカーという名前からもわかるように、生き物のイラストの描かれたカードを使った心理戦である。
そして、心理戦となるとめっぽう強いのが宮島なのである。彼は中学生の頃から、マジックや怪談などの自分を客観的に見ることで上達する演芸を得意としており、案の定最後は宮島と尾道のサシの戦いになった。
そして、勝負の明暗をわける一手になったとき、それぞれが相手のリスクを1分ずつほど雄弁に主張し合い、裏をついた尾道の、裏の裏をついた宮島が見事勝利した。
早々に離脱して観客と化していた僕と釧路は、「いやはやすごいものを見たね」とはやくも伝説となった一戦を語り合った。
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そこから先は大富豪、大富豪、なんじゃもんじゃ、大富豪、大富豪というようにカードゲーム三昧の時間が過ぎていった。宮島がお手洗いで席を外した隙には、尾道が彼の枕に股間を擦りつけ、その罪で折檻を受ける一幕もあった。
これを機にカードゲームからは手を引くと、ホテルの浴衣と羽織を衣装に棋士や文豪の宣材写真撮影会を催したり、眠りに就こうとする釧路を三人でひたすら妨害したりと、杯盤狼藉への一途を辿る部屋の行末を嬉々として追いかけた。そして、いつの間にやら泥のように眠っていた。
・どんちゃん騒ぎ 筆者:尾道
散策ついでのコンビニで買ったカップラーメンと酒が今夜の夕食になる。一流宿のコース料理も、気の知れた仲間と雑多に喰らうカップラーメンにかなわないのは、食事の本質が食べ物の外側に位置することを暗示している。
食事の傍ら、宮島が持参した大富豪ゲームで遊んだ。一般的な大富豪とはだいぶ違って、カード1枚1枚に特殊効果がついており、さらには遊戯王でいうところの魔法カード的なものまであるため、トレカのような形でゲームは進行する。
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戦績はと言うと、1戦目でもぎとった勝利を保って、大富豪と富豪を行き来し、最後は総合1位に輝いた。
釧路は、一度大貧民になってからというものの、大富豪特有のルールと、このカード特有の特殊なルールに翻弄され、完全に負のループに嵌ってしまい、ぶっちぎりの最下位でフィニッシュ。後半に関しては、諦念に満ち満ちた様子だった。その様子が面白かったと言えば、性格が悪い奴みたいになってしまうが、実際のところ面白かった。
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酔いがまわって気分がハイになってきた私は、パンイチで宮島の布団に寝転んだり、パンイチで座り込んだ枕を釧路に押し付けて、そのあと返り討ちにあったりと、酔いに身を任せてはしゃぎ倒した。
そうした諸々の醜態は、明石のカメラに激写されてしまったため、この時以降、リベンジポルノにおびえながら生活する羽目になった。
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