Va-11 Hall-A サイバーパンクバーテンダーアクション
過去にプレイした好きなゲームの一つに、Va-11 Hall-Aがあります。
読み方としては、Va-11 Hall-Aと書いて"ヴァルハラ"です。
インディーゲームとしては有名なゲームなので、知っている方も多いかもしれません。
CoffeeTalkなども、Va-11 Hall-Aの影響を受けたゲームとして挙げられています。
Steamストアページ
Va-11 Hall-AのPLAYISM公式サイト
■どんなゲーム?
西暦207X年のサイバーパンクの世界、グリッチシティというスラム街の片隅にある『Va-11 Hall-A』というカクテルバーが舞台。主人公は、そこで働く「ジル」というバーテンダーです。
バーのボス(癖強い)や同僚のバーテンダー(何か隠し事がある)や様々なお客さん(ほんとに様々)、しゃべる犬(しゃべる)、などと一緒に、会話をしながらカクテルを作って提供するゲームです。
ゲームとしては、ADV、ビジュアルノベルです。選択肢などはほぼ出てきませんが、お客さんたちとの会話の途中でカクテルを作って提供する場面があり、そこで提供したカクテルによって会話の内容が変わります。要望通りのカクテルを出せたか出せなかったかで、会話の内容が変わってくる、といった具合です。
■感想
とにかく、良いゲームでした。
登場人物も話も音楽も、素敵なゲームでした。
物語としては、ある程度大筋があるのですが、それとは直接関係ない部分の会話もたくさんあります。そこが良いです。
何気ない会話から、登場人物たちの複雑な事情、下ネタ混じりのジョークや込み入った性的な話、同性愛、悩み相談、お酒の話、など。
キャラクターたちの背景や会話の内容がどれも濃くて人間的で、共感したり驚いたり考えさせられたりする事が多かったです。 人と会話したりすることの喜びとか心地よさとか人生とか、そういったものが伝わってきました。
製作者の方たちの経験や苦悩してきたこと、そういったものが詰まっている気がして、そういう面が良かったと思います。
大げさな言い方ですが、自分の知らない世界が知れました。
曲も良くて、プレイした当時はしばらくの間、サントラは普段から聴くようになっていました。
当時はまだインディーゲームのプレイするようになったばかりの頃だったのですが、Va-11 Hall-Aのおかげでインディーゲームの魅力みたいなものも感じ、インディーゲームがもっと好きになれました。
CoffeeTalkがVa-11 Hall-Aから影響を受けたという話を聞いていますが、確かにそうだと思います。CoffeeTalkもとても良かったので。(CoffeeTalkについても記事にしたい)
■ジルについて
プレイした当時、私は主人公のジルと同じ27歳でした。ジルの感情やジルの発言に共感する部分もあり、それがVa-11 Hall-Aに思い入れがある理由の一つにもなっています。
ジルの発言の中に、
「指の間から若さがこぼれ落ちていく感覚が分かる?」
という発言があります。
20代後半、若い自分が少しずついなくなっていく感覚、指の間から若さがこぼれ落ちていく感覚。
私自身も似たように、若い自分が少しずつ居なくなっていくような感覚がありました。そしてジルと同じ年齢だったこともあり、「やっぱりそういう時期なのか…?」と共感したのを覚えています。
これは、多くの人が一度は通る道なのかもしれませんね。
クオーターライフ・クライシス、と呼ばれる事象(20代半ば〜30代の間に訪れる人生の危機感を感じる時期)がありますが、それと近いのかもしれません。
■音楽
切なくてどこか退廃的なところがあるBGMがとても良いです。
以下から聴くことが出来ます。(AmazonMusic)
Amazon Music Unlimited - GAROAD 『VA-11 Hall-A (Original Soundtrack: Second Round)』
■続編
続編の制作が発表されていますが、公式からの発信でリリース日は未定、となっています。
制作者さんたちのペースで、無理せず気長に作って欲しいと思います。
作品としては、グリッチシティのVa-11 Hall-Aではなく、セイント・アリシア島、という島の高級バー「N1RV ANN-A」(ニルヴァーナ)が舞台のようです。
これもまた、凝った名前です。
■最後に
Va-11 Hall-Aをプレイしたのは12月だったのですが、作中のストーリーも12月中旬~年末にかけての話でした。
なので、時期的に雰囲気も含めて楽しめたのが良かったです。