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毎日超短話34「優雅な遅刻」

朝寝坊をしたわたしは慌てている。

「ごめん、ごはんいらない!」

と父に言うと、父は「まあ、ゆっくりしていきなよ」と優雅なことを言う。

「ゆっくりしてたら間に合わないよ!」

「どうせ間に合わないんだから、ゆっくりするんだよ。お父さんも遅刻確定だ」

父はコーヒーを片手に笑っている。
なんだか力が抜けてしまって、わたしもごはんを食べることにした。

「お父さんは、今日は景色もちゃんと味わおうと思ってる。いつもなにも見てないからな」

「でも遅刻して怒られるんでしょ?」

「今から慌てて行っても怒られる。だからたまには優雅に出勤してみようと思う」

なんだかわからないが、そんな日があってもいいような気がした。

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