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毎日超短話716「しあわせのドア」

原っぱにポツンとドアだけが建っている。表札には「しあわせのドア」と書かれていた。近づいてノックをして、ドアノブに手をかける。

「すみません、しあわせになりたいんですけど……」

と声をかけてみると、ドアの向こうから返事が聞こえた。

「しあわせは許可制じゃないので、勝手になったらいいよ」

そっか、と思ってドアノブから手を離す。勝手にしあわせになっていいのか。吹く風が優しい。


一年前の超短話↓


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