毎日超短話313「モニャモニャと私」
ポケットにモニャモニャが入っていた。
手の上に乗せると、モニャモニャは「ふぅーっ」と口をつぼませた。たぶん口笛を吹きたいのだと思うけど、全然できてないのが可愛い。できない自分に怒って、「ぶぅー!」とブザーのような音を出す。私が怒られてるようで怖い。そのうち手のひらを引っかいてきた。痛い。思わず握りつぶしてしまおうかという衝動に駆られる。泣きそうだ。モニャモニャは笑っている。仕方ないから常備している海苔をちぎってあげる。モニャモニャは満面の笑みを浮かべ、それをパクパク食べると、眠りについた。スヤスヤという息が聞こえる。寝顔がヨーダみたい。モニャモニャと寝言を言っている。やっぱり可愛い。
もうダメだ、まだ大丈夫、繰り返しながら、いつかこの日を懐かしく思いたい。
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