【イベント主催】第1回コロナ時代の生き方について語る会
■イベント立ち上げの経緯
日本全国に緊急事態宣言が出された4月16日。在宅勤務&休校生活も2週目に入り、生活ペースもつかめてきた頃にふと思ったこと。
通勤もなく、朝の一瞬も気を抜けない殺伐とした忙しさが消えていること。
午前中の仕事が終わったら、子どもと一緒に簡単なランチを作り食べる時間。
仕事が終わったらすぐに公園にキャッチボールをしに行けること。
もちろん経済活動が止まっていることで困っている人がいたり、
生活インフラを支えるために現場に出て働いてくださっている方がいたり、
最前線の医療従事者の方が大変な思いをしていることは理解している。
が「コロナ禍」ではない文脈で今の生活を送れたとしたら?
日々の経済活動を中心とした生活に追われ、家族や本当に大切な友人と接する時間もなく、誰が作ったか分からない食品を仕事をしながら食べて生きることが幸せなのだろうか。
そんなことを考えているタイミングに
「すべてが終わった後、本当に僕たちは以前と同じ世界を実現したいのだろうか」
というフレーズのnoteに出会い、のどに刺さった魚の小骨のように自分の心に引っかかった。
https://www.hayakawabooks.com/n/nd9d1b7bd09a7
(☆ご参考☆↑noteの詳細本が出版されています。)
そこでフィエスブックの友人10人くらい集まってくれたらいいな、と思い
「コロナ自粛が解除されたら…
・元に戻ってほしいこと
・元に戻りたくないこと
・新しく始めたいこと
をざっくばらんに話し合いませんか?」
と声をかけたところ約50人の友人から参加表明が集まりびっくり。
みんな今のもやもやを話してみたい、他の人はどう思っているのか聞いてみたい、というインサイトがあるようでした。
■キーノート
当日は認識合わせのために、現状を共有した上でハバタク(株)代表 小原祥嵩さんにキーノートをお話いただきました。
ポイントをまとめると以下の3つ。
①有事における政治と個人のリーダーシップとは?
政治のリーダーシップの強さや国民の政府への依存度が国によってはっきりと分かれた。
VUCAの時代にこれからも起こり得る「自分にとっての不条理(今回の場合はコロナ)」に対してどのように振る舞うかがこれからも問われる。
②SDGsは途上国だけの問題ではない
世界の中は元々「緊急事態」である。例えば、今回のコロナの全世界の死者が4月末時点で20万人に対して、5歳児未満の死亡者数は530万人。
日本国内でもコロナを機に色々な社会問題が明らかになってきている。(給食がないと栄養が十分に取れない児童がいるという話などはまさにそういった事例。)
③これからの生き方・暮らし方
グローバリズムや都市集中のライフスタイルからの脱却が始まるだろう。
「小さなコミュニティ」の中で完結するようなライフスタイルが増えるのではないか。
■グループワーク(みなさんの声)
キーノートを踏まえてグループに分かれてそれぞれ今感じている事をざっくばらんにお話してもらいました。
参加者は北は北海道から南は九州まで、業界も業種もバラバラ、という多種多様なメンバーだったので色々な意見が出ました。
それぞれの班で話された内容としては
【変わったこと】
・働き方はコロナ禍で在宅勤務のハードの問題は解消されつつある。
・インパクトの出方が人によって様々。医療・観光業・飲食店などは深刻な影響を受けている。
・家族と食事をしたり、自炊をしたり、当たり前の日々の暮らしに充実を感じるようになった。
・家族とずっと一緒にいる人も、単身赴任で動けなくなってしまった人も家族の在り方について考える機会になった。
【変わらないこと】
・在宅勤務ができるハードが変わっても、実際の人の動きはなかなか変わらない。
・元々田舎暮らしや特定のエリアでビジネスが完結しているメーカーは特に変わらない。
などなど。
■まとめ
コロナをきっかけに「変わった」という人と「変わらない」という人がいて、個人の価値観が今まで以上に多様化していく兆しが見えました。
「変わった」という人は自分の健康、家族、生活といった「生き方」についての価値観が変わっているケースが多いようです。
そうした中で今後も起こりうる「自分にとっての不都合なこと」に対応するためには、政府や所属する企業に自分自身を委ねるのではなく、Lead the selfと言われる個人のリーダーシップが更に必要とされるという結論に達しました。
また地方で小さなコミュニティの中で生活している人はほとんどダメージを受けておらず、最初のキーノートにもあった通りのことが起こっていることが実感されました。
情報や生き方の選択肢が多様化し、何が起こるか分からないVUCAの時代には「多様性(ダイバーシティ)」や「個人のリーダーシップの重要性」や「地域社会の在り方・関わり方」はこれまでも言われていたことであり、それがコロナ禍をきっかけに全国民が実体験したケースなのだと今回のイベントを通して感じました。
これからもこのように「今起こっていること」について色々な人の意見を聞ける場を作っていこうと思います。