落ち着いて学べる環境ってどんな要素がある?
先生、こんなことがあったんですよ。先生、クラスの子たちのこういうとことが素晴らしくって!
最近よくこんな会話をしています。今の学年は高校1年生ですが、とても生徒が前向きで、授業にも前向き。何だか顔を見ると癒される日々です。
昨日は私のクラスを褒めてもらいました。図書館という移動教室なのにチャイムがなったら心も体もスタンバイ!自分の選んだ本としっかり向き合い、ポップを製作したとか、羅生門の読解Before Afterの記述がすっごく面白いとか。私もその先生のクラスについて二日に一度は「こんなことがあってね、素敵な子たちですよね!」とよく話しています。
教師同士のコミュニケーション
落ち着いた学年に必要な要素って何でしょうか。やはり一番は教師同士のコミュニケーション。何か問題があってもオープンに話せる雰囲気や、上から目線ではなく、寄り添って決められること。そして新しい取り組みを紹介し、取り入れたい人が取り入れるやり方。バシッとものを言う方もいるけど、それを無理強いしないこと。年齢も背景もバラバラですが、ちょっとしたことでも相談に乗ってもらえて助かっています。
教室づくりの背景には職員室での人間関係があります。やたらと気を遣う関係性や、年配の先生が幅を利かせていると生徒にすぐ伝染するもの。そんなわけで、今日も職員室は和やかです。
細かな行動観察と柔軟性
尊敬しているある先生の学級はとても落ち着いています。分からないことでもとりあえずやってみる。こちらが提示したものをとりあえず楽しんでみる。なんかおもしろそう!と言う態度なので、私も毎回の授業が楽しくて仕方ありません。もちろん学力的にしんどい生徒もいますが、それは授業には関係ありません。みんな同じです。
その先生の学級経営を見ていると、細やかに行動観察していることが見て取れます。管理を感じさせることなく、やんわりと手綱を持っている。きっといずれ緩めていかれるのでしょうが、まずは生徒に安心安全の場を提供しているのだと思います。
マズローの欲求5段解説にあるように、まずは生理的欲求、安全の欲求が満たされなければどんな授業をしても無駄になります。
おそらくこの先生はカウンセリングもかなり学ばれていると思われ、誰も置いていかない細やかさには頭が下がります。
基幹科目のおもしろさ
意外と?見落とされがちですが、コマ数の大きい科目の満足度は確実に影響します。いわゆる文型だと、英語と国語でしょうか。本校の国語科は面白い授業をされる方がとても多いのですが、特に同じ学年団の先生はいつもいろんな試みをされています。
とにかく、柔軟。詩集から好きな詩を選ばせて朗読したりする授業で、視覚や聴覚の効果(BGMなど)を入れてみたら?と言うと「なるほど!」とすぐ検討に入られたり、チームで学ぶ要素を入れたり。細やかで失敗を恐れるのかと思いきや、意外と新しいことをどんどん入れておられます。
私のクラスの生徒も、中学時代からこの先生オススメの本を買って読んだり、授業で話すことをおうちで話したりと、この授業が大好きです。授業が楽しくないと学校の大半が苦行と化します。その意味で、基幹科目が面白い(自分の授業も手前味噌。笑)と言うのは大きいのです。
さいごに
このブログは生徒や保護者も読んでいると思うのですが、書いてある通りで、新しい授業の要素である、マインドセット(学びへ向かう姿勢)や思考力・創造力を確実に育てられる土台があります。元々職人肌で、自分の受け持ちさえ良ければよかった私ですが、今年は同じ学年の人や英語科全体で、取り組んでいます。生徒の幸せのために。人生の経営者を育てるために。明日もがんばろう。