真夏の低温日
昨日までの暑さが嘘のように、雲が空を覆うと冷たい風が吹き出した。
昨日までの服では肌寒いけれど、湿度が高くて、薄いワンピースが着たくなる。
クローゼットをゴソゴソ探すと、すでにワンピースを捨てた事を思い出す。
綿の薄いワンピース。
新しい物を買おうかと考える。
今日は綿の薄いワンピースの気分だが、この先どれだけ着るだろう?
晴れた猛暑日に着る事はない。
汗で肌に張り付くと、無駄に体の線が出る。
それなら初めからラインを計算した服を着たほうがいい。
今までなら、気分に支配され沢山の服を買っていた。
買わなくなったのは、なんとなく不景気な時代のせい?
それとも、無駄な物を所有したくないから?
…それも時代だ。
なんとなくクローゼットを漁ると、
気分にも気温と湿度にもピッタリの服を選び出した。
買わなくても既に沢山のものを所持してる。
そう思うと、少し笑えた。
必要なものって、もうここに揃っている。
そんな事にも気付いていない。
まるで、青い鳥だ。
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