ただのアニメではないから、心が震えるのだろう【すずめの戸締まり】
母親を亡くした子どもの気持ちは、分かる。
子どもながらに、残された子どもも悲しいが、残していく母親も悲しかったはずだろう、無念であっただろう。
19歳で母親の死を体験した時、そんな事を思った。
しかし、5歳の息子が今、母親である
私の死に直面したら、そんな風には思えないだろう。
地震という恐怖の中、一人ぼっちになってしまったら、パニックになり、泣き叫ぶだろう。
5歳の子どもは大人がいないと出来ないことがまだある。
19歳になれば、親の手がなくても自分でどうにか生きていける。
親を亡くす意味合いが少し変わる。
色んな感情が芽生えて、母親の存在が何なのかを理解してくる4〜5歳ではその悲しみは耐え難いものだろう。
そんな子どもの悲しみと、震災の悲劇と、記憶に残る風景が、苦しさを思い出させる。
私が被災していたら、この映画は最後まで見ることが出来なかったと思う。
目を背けてしまうだろう。
何かを抉られる気分になってしまうだろう。
生きるも死ぬも運だから。
そんな台詞が突き刺さる。
生き残った以上、苦しみは付きまとう。
じゃあ、死んだ方が良かったのか?
それもそうとは言い切れない。
神様にお願いして、全てが解決するならば、どうかあの地震の前に戻して下さい、、、。
その思いが、「君の名は」に繋がったのだろう。
姿形のない神様と、現実に起こった災害やそれに巻き込まれた人々、こうだったら良かったのに、、、という願い。
この3つが新海誠監督の作品には含まれている。
夜に観たら、神経が高ぶって眠れなくなってしまった。
ドキドキではなくドクドクが止まらない感じ。
震災を知らない息子と一緒に観たが、息子と私の感想は全く違うものだろう。
案の定、サダイジンが頑張ってミミズを止めていた所がカッコ良かった、と息子は言っていた。
3.11の日付が特別な意味を持つのは、何歳位の子どもからなのだろう?
映画を見終わってからも、数日間息子と2人で、
どうしてダイジンは、草太さんを椅子に変えてしまったのだろう?
初めは悪い子だったのに、どうして最後は良い子になって助けてくれたのだろう?
そんな疑問を語り合った。
そんな胸のモヤモヤを解決してくれたのが、こちらのスルメさんの考察記事。
なるほど~、なるほど~。
深い、深すぎる。
とても分かりやすい考察でした。
「すずめの戸締まり」は、「君の名は」や「天気の子」とは、見終わった後の後味が全く違う、重たい感情になるのだが、後世に残すべきアニメ映画の一作だと思う。
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