台風で新幹線に10時間缶詰になった夫の話
今週は台風10号にまんまと振り回された。
進路不明の台風のもとへ向かうように8/27(火)、夫は福岡の両親がいる施設へと旅立った。
両親は二人とも高齢で実家近くの施設に入っているが、2ヶ月に一度病院へ薬を貰いに行かなければならなず、夫はいつもと変わらずその任務を果たすべく飛行機へ乗った。
この時、台風はまだ九州へは上陸しておらず、大丈夫じゃない〜?的なノリで夫はいたに違いない。
私は、帰ってこられなくても致し方ない、、と思っていたが。
29(木)には帰ってくる予定。
しかし、29日のお昼に夫が乗る飛行機から全て欠航。
辛うじて新幹線が取れたとLINEが来た。
ふぅ〜、これで一安心と思ったのか、夫は「新幹線ガラガラ。Wi-Fiも30分無料でラッキー」なんて言葉をLINEに残していた。
私は、嵐の前の静けさ的な胸騒ぎが鳴り止まない。
その2時間後、夫はその言葉が大間違いの大誤算だった事に気がつく。
大雨の影響で静岡手前で、新幹線が止まった。
それ以降どうなるのか分からず、19:00を過ぎた。
「充電が切れる。充電器ない。」
驚くべき事実。
夫の携帯は古くて直ぐに電池がなくなってしまう。
それなのに充電器を持っていかなかったのだ。
ここで、充電が切れたらホントに死亡だ。
ライフラインが途絶える恐ろしい状態に突入する。
しかも、急いでいてお昼を食べていないと言う。
「お腹へった、、、。」
車内販売とか無いのか??
せめて水分はあるのか??
もはや当の本人より私の方がパニック状態だ。
夫はもう若くない。
本人は若いと思っているが、還暦を過ぎたおじいちゃんだ。
死ぬな!
頑張れ!
「隣の人に充電器借りた。」
持つべきものは親切な隣人だ。
そして、衝撃的なことに、
「新幹線、名古屋に引き返すらしい。」
えぇぇ~!
名古屋の何処に泊まるんだよ~。
ホテル、ホテル、取り敢えずホテル予約!
夫に指令を出すも、
「やっているけど次々に埋まっていく。」
携帯片手にトロトロしている夫の姿が目に浮かぶ。
居ても立ってもいられない私は、Agodaで駅チカの手頃なホテルを予約する。
取り敢えず今夜の宿は確保した。
これで休息という最大の命綱は渡せた。
その後、夫からの連絡は途絶えた。
夫からホテルに到着した、と連絡があったのは23:00だった。
おい、おい、大丈夫かいな。
翌日30日も東海道新幹線は動かず、今日帰るという選択肢が失われた。
すぐさま私は、また名古屋の安いホテルを予約して、夫の寝床を確保した。
夫は、どうにかして帰りたい!!
その一心で30日の夜行バスを予約したらしい。
この天候じゃ、夜行バスも途中で通行止めとかになるんじゃない?怪しい。
私は、最悪を想定、想像するのが得意だ。
そんな事を考えながら、ボーと朝ドラを観ていたら、
臨時北陸新幹線東京行き14:36発
こんなテロップが目に入った。
東京行き?
北陸新幹線って何?
名古屋からどうやって北陸新幹線に乗るの?
調べてみたら、こんな感じ。
行けなくはない、、、。
はて?
この状況、何かで見たな?
デジャブ?
これだぁ!!
岸田さんの状態と同じじゃないかぁ!
急いで夫にLINEで、乗り換え案内と岸田さんの記事を送った。
取り敢えず、これを読みなさい。
夫は、半信半疑で、
「みどりの窓口に相談してみる。」
と、なんとも昭和な言葉を残して消息を絶った。
次に連絡が来たのは、
この画像だった。
これで、自宅近くの大宮まで帰れるルートは手に入れたが、果たしてチケット取れる?確実に乗れる?
心配していたら、やはり満席で、はくたか568号には乗れなかった。
だが、臨時列車の14:36には乗れた。全席自由席の争奪戦にも勝ち、座って大宮まで帰れる事になった。
30(金)19:00前に夫は帰宅した。
時間にしたらたった1日帰りが遅くなっただけなのに、まるで1週間位長居をしていた様な感覚だ。
さぞ、疲れ切っていることだろう、、
そう思っていたが、死にそうな感じではなかった。
私がこんな目にあっていたら、多分倒れ込んでいる。2日ほど寝込むだろう。
その点、夫は丈夫だ。
無事帰還、お疲れ様です!
ただ帰りを待っていただけなのに、私もヘトヘトなのは何故だろう?
私から見ると夫はとてつもないアホだ。
子どもの様に心配の種だ。
手が掛かる。
私の足をよく引っ張る。
時々、邪魔だなぁと思ったりもする。
それなのに、やはり無事に帰って来ると安心する。
息子も喜ぶ。
ピンチの時こそ、夫婦は絆が深まるのか、、、そんな事を思う。
帰って一息ついた夫は、
「ありがとう。」と、一言。
普段不仲なのに、ピンチの時は助け合わないと乗り越えられないから、乗り気ではないが手を差し伸べる。
私達はそんな夫婦だ。
ただ、今回のピンチでよ〜〜〜く分かった。
夫婦ってのは、家族ってのは、助け合う為にあるものなんだなぁ、、と。
1つ屋根の下に暮らす者同士、助け合わなければ生きていけないのだ。
愛情が枯渇しようが、憎しみが増し増しになろうが、生きるか死ぬかのピンチには、助けなければならない義務が生じる。
翌日、夫は己の至らなさを痛感したのか、
先ず携帯を新しく変えた。
そして、
「必ず充電器は持っていかないとダメだと分かった。それと夏でも長袖のシャツも。新幹線で寒くて寒くて、半袖2枚重ねて着てた。あと、Agodaも登録した。」
いくら口で言っても分からない夫は、身を持って体感する事で変化に至った様だ。
私が携帯早く変えなよっと言った所で、全く行動に移さなかったのにね。
まぁ、人間ってそんなものだよね。
翌日も東海道新幹線が運休になっている事を耳にして、夫は少し得意げに言った。
「敦賀回りで帰るって言ったら、みどりの窓口の人は、驚いてたよ。でも、意外といい案ですねって。」
まるで自分の手柄の様に、そんな事を言ってきた。
今回の私の教訓は、
noteの記事は読むに値する!!
岸田さんの記事、本当に役に立ちました。
誰かのピンチは自分のピンチと思って読む。
自分のピンチも誰かの役に立つかもしれないので、記事にするように努めたい。
かぞかぞも終盤。
岸田さん様々の8月終わり。
夏休みも終わり。
暑さはいつ終わりを告げるのだろう?