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夕月
2024年1月24日 23:06
※ウキグモ、副隊長就任より前の時空の話です。 「ジャンニ、この後暇か?」陽が傾き始め、日勤帯の人達は終業準備を、これから夜勤警護に当たる人たちが準備をし始める頃だった。「ええ、まあ。カウンセリングの予定は全てこなしましたので」藪から棒に予定を尋ねるウキグモに、やや戸惑いつつも返答する。「なら、ちょうど良かった。今から飲みにでも行かねえかなと思って」飲みに行くことへの誘いについては別段
2024年1月31日 23:00
あれから四年が経過した。ソラトは師匠に渾身の作品を提出した。白波が打ち付けたような細かい刃の紋様、柄はあえてシンプルに仕上げ、最低限の装飾で済ませている。 提出された作品を師匠はしげしげと見つめる。(今日は自信あるやつだけど、どうだろうか) 『まだなっとらん』と突き返されることが日常だが、今日に限ってはあらゆる角度から検分している。正面から、斜めから。刃をひらめかせてみたり、光にあててみ